バルサ電動機



ハイパーキャット50

(飛行編)

初飛行成功!
キャノピーを取り付けて完成。記念撮影をして初飛行へ。
スロットルを上げると軽々と離陸。上空でトリム合わせ。エレベータをアップ側、エルロンを左側にトリム合わせして機体が落ちついた。
変な癖がなく真っすぐに飛んでくれる。ロールは軸が通り綺麗、エルロンの舵角が大きかったようで高速ロールも可能。
対称翼特有の表裏で同じように飛ぶので延々と背面で飛ばすのも容易。正宙、逆宙も同じようにできる。
上空では少しパワー不足の感じがする。APC11×8Eを使っているのでデータ上は4セルで40A、推力2500g、1400gの機体なのでパワー不足はないはず。垂直上昇しながらロールしてみるとロールレート一定のまま何処までも上昇を続ける。軽さはパワーを実感。
モータが胴体の中にあるので音が静かで、これがパワー不足のような錯覚を起こすのかな?
着陸は楽々で機体への衝撃もなく無傷で帰還。本日4回飛ばした。
 
この機体の速度域は、リトルホーク号やハイパーキャット26よりも広く、さらに低速時でも高速時でも飛行特性があまり変わらない。
ハイパーキャット26よりも性能が高いのは明らか。リポ電池の取り扱いも難しくないので、これ一機で十分遊べる。
これまで作ってきた機体の中で飛行性能は圧倒的に1番。1400gの50クラスの機体は別次元です。大成功でした。(2016年9月24日) 
舵角の設定
この機体の製作にあたり参考にしたのがラジコン技術データベースに収録してある製作記事。この中に舵角の記載がある。
これによるとアクロ系のキックアップで設計図面に記載の舵角よりもかなり大きな数値が設定されている。設計者の千葉氏も飛行に立ち会ったようなので、信頼できる数値と思われる。
これを参考にして、以下のような数値に設定(初飛行はモード1に近い数値で行った)。
モード  エルロン  エレベータ  ラダー 
 1 8mm  10mm  25mm 
 2 10mm  13mm  30mm 
 3 12mm  18mm  35mm 
記事によればエレベータの最大値は25mmだが、本機の現在のリンケージでは18mmが精一杯。モード3での様子をみて舵角の拡大を検討する。(2016年9月27日)
エレベータサーボ
エレベータは両引きにしてあるので少しリンケージが重いような気がするので、サーボを交換。ハイテックのHS81(トルク2.6Kg)からHS225(トルク3.9kg)へ。ニュートラル時のサーボ鳴きがなくなり精神的にすっきり。
本日飛ばしてみた。サーボ交換の効果は、なんとなく水平飛行のすわりが良いような気がする。
舵角は各舵のバランスが良くなった。大舵角時に、エレベータを引き過ぎるとあらぬ方向を向く。エレベータの左右のニューラルが同期していない(両引き)様子。目視では合わせ難いので治具を考える必要がある。
キャノピーの下縁にブラックのカッティングシート貼った。これだけでも機体が精悍に見えるから不思議。(2016年10月2日)
墜落
調子にのって超低空でロールしていたら失速して墜落、ヤバッ・・・と思って駆け寄ると意外に軽傷、胴体の主翼固定部が外れたのと主翼の一部が損傷。
胴体の修理は簡単、問題は主翼、痕跡を残さないで元通りにできるか?
フイルムを剥がしてしまうと新しいフイルムとの段差が目立つ。今回はフイルムを胴体内に隠れる箇所で大きめにカット。損傷個所を修理した後にフィルムボンドを使って再度張り付け。
殆ど目立たない程度で修理完了。今回の事件を忘れないように猫球のシールを張り付けておいた。(2016年11月20日)
再生
実際に飛ばしてみると変な癖もなく元の状態に戻った。自分の技量以上のことはやらないというのが今回の教訓。
10クラスのピッツ、30クラスのフライベビーと並べてみると本機のスマートさが際立つ。これらの機体を比べるとピッツの操縦は難しいと改めて実感。(2016年12月4日)

また墜落
低空でロール中に舵が利かなくなり波打ち際に墜落、今度は全損と覚悟したがペラが折れ、主翼が外れて一部が破損した程度。すぐに回収したが海水に浸かってモータ以外は廃棄。機体は乾燥させれば何とかなるかも・・・とそのまま自然乾燥。胴体はOK、しかし主翼は2週間放置するも十分に乾燥していないようなのでフイルムを剥いで様子を見ている状態。
海水は主翼中央のエルロンサーボの取り付け穴から侵入して2枚目のリブあたりまで浸み込んだ様子。一部のプランクを張り替えることで元の状態に戻りそう。
墜落原因は特定できていないがいくつか心当たりもあるので、対策を思案中。これで2回目の墜落、それでも機体の損傷は少なく、軽量化のお陰。(2017年5月14日)
復活
主翼のプランクの一部を張り替える等して元の状態に復元。フイルムを貼って復活。海水に浸かったので廃棄も考えたが、上手く乾燥させれば何とかなるもの(実際に浸かったのは数分だったのも幸いした)。主翼面にシールを張り付けて完了となる。(2017年5月28日)
受信機
JRの撤退に伴いXG8用の受信機としてコロナのR4DM−SBを使ってみることにした。仲間内ですでにいくつか使っているが今のところ問題は発生していない。バインド時に電源を差し込むチャンネルを1chとすると上手く認識せず、4chにすると認識。理由は不明。
錆止め
海岸で飛ばしているので主脚のピアノ線が錆びる。今回、試しにエポキシを塗布してみた。剥離もなく良いかも。
復活後の初飛行
飛ばしてみると変な癖もなく、以前の状態に戻ったので一安心。受信機も問題なく作動。やれやれの事件でした。



(製作編)

気を良くして
ハイパーキャット26は想像以上に高性能な機体。これに気を良くして、QRPの第2弾の本機の製作に着手。すでに図面はスクラッチビルダーさんから頂いている。
図面を吟味すると、主翼がテーパー翼になっている以外はハイパーキャット26と類似の構造。製作は容易と思われる。
今回のテーマは50クラスの機体を限られた材料で製作すること。バルサ材は2mm、3mm、5mmのシートと5×5、6×6の角材を基本とにして組み上げる予定。
すでに廃業されているQRPの千葉さんのブログを発見。その中に本機の写真があったので無断拝借。惹かれるデザイン。
主翼
テンプレートからリブを削り出したが、テーパー比が大きくリブの成形に時間がかかり意外に面倒。今回は翼端側のリブの寸法を取り違えていたこともあり、採用せず。この方式は矩形翼に適している。
オーソドックスにコピー機で縮小して2mmバルサに貼り付けてカット。これが一番早い。リブカット完了。(2016年8月24日)
事前準備
スパーには5×5のヒノキ材を使用。オリジナルの機体では途中までダブルスパーになっている。今回の機体は電動仕様で1600g程度の重量になるはずで強度の余裕があるのでダブルスパーにはしていない。代わりに第3リブまで長めのカンザシを挿入する(オリジナルはカンザシ無し)。
プランク材は2mm、前縁および後縁材は5mmバルサに1mmバルサを貼り付けたものを使用。1mmバルサの意味は強度確保とリブ溝の成形を容易にするため。1mmバルサ分が溝の深さとなる。
テーパー比が大きいので治具は必須。後縁材に治具を履かせるが、この治具の寸法が図面に明記されておりラッキー。
組み立てはこれまで通り、定板上でマチ針と重しを駆使して行う。主翼の捻じれは最後の上面プランクで決まる。それまでは前縁、後縁を如何にまっすぐに製作するかが重要。 アルミ材とクリップを使って作業を進める。
基本構造完成 
ダウエルは6mmのロッドを使用。事前に挿入穴を加工しておく。この周辺を適宜補強して、主翼連結後にドリルで穿孔すればOK。
最後の上面プランクは慎重に行う。接着剤はいつも通りタイトボンド主体で瞬間接着剤で補助するイメージ。
出来上がった主翼は捻じれがなく剛性も高い。順調。(2016年8月27日)
左右連結
3mmべニアと2mmバルサを接着してカンザシを製作、 上下のスパー間に挿入。エポキシをたっぷりと使用して強度を確保。
翼端を50mm持ち上げた状態で接着。
主翼完成
エルロンサーボ搭載用の穴を形成。翼端ブロックは5mmバルサと2mmバルサを積層して形成。
エルロンホーンはテトラのLサイズを使用、リブキャップを接着して生地完成。重量は約240g、軽いのかな?(2016年8月31日)
胴体
構造は単純、事前に検討すべき事項は、@主脚の構造Aモータの固定方法B電池用の開口。
主脚は4mmピアノ線から作成。以前、スクラッチビルダーさんが頒布してくれたワイヤベンダのお陰でうまく製作できた。
モータはOSの3825−750、ムスタングやSE5等で実績があるので安心。電池は、燃料タンクの位置で上部を取り外し式にして出し入れを容易にする。
防火壁の位置を確認して製作開始。
胴体は、側板5mm、上部7mm(5mmと2mmの積層)、下部(後部2mmバルサ、前部5mmバルサとした。特に難しい点はないが、目視で捻じれがないことを確認しながら作業を進める。
リンケージ
いつものように1mmチューブ+0.8mmピアノ線とした。今回は、エレベータを両引きとして撓みを防止。
サーボはハイテックのHS81、マイクロサーボなので不安はあるが、トルク2.6Kgで、ムスタング50にも使用して問題が皆無なので採用。
モータマウント 
4mmべニアを使用して要所はエポキシで接着。モータは前方から抜き差しできるようにした。この構造はムスタングで実績があり、十字形のモータ取り付けブラケットに合わせて切り欠きが必要となるが、スピンナーで隠れるので好都合。
胴体を閉じると、剛性が急に高くなる。上部は丸みのあるデザインなので思い切ってコーナー部をカットする必要がある。
尾翼は5mmバルサの骨格の両側を1mmバルサでサンドイッチしたもの。軽量かつ剛性が高いので最近良く使う手法。
捻じれが出ないように、ボンドが乾燥するまでしっかりと押さえることが必要。一晩放置しておけばOK。
胴体完了、尾翼完了。
次は尾翼の動翼の製作。無垢バルサで作るか、リブ構造にするか・・・思案中。(2016年9月4日)
動翼
動翼もリブ構造で製作。所定の大きさにカットした1mmバルサ上に5mmバルサで骨格を形成。これをサンディングして翼形にして裏面に1mm」バルサを接着して完成。
サンディング時、両面テープで定板上の固定すれば作業がはかどる。意外に上手くできた。
これで全ての部材が揃い、生地完成!
サンディング前の状態で重量測定。何と1266g、これにフイルムの重さが加算されるとしても、1500g以下になることは確か。翼面荷重50g以下。
内訳:
胴体(2サーボ含めて):250g  主翼:240g  尾翼:65g  主脚+タイヤ:66g
モータ、スピンナー、ペラ:270g  アンプ、受信機等:95g  リポ4セル2600mAh:280g
次は、サンディング!(2016年9月6日)

仮組
全体の出来具合をチェックするために仮組してみた。構造上の矛盾はなく一安心。全体的に見ると胴体の前側の丸みを大胆につける必要がある。(2016年9月7日)
サンディング終了
胴体のコーナー部を思い切って、しかし治具を使って慎重にカット。イメージ通りの造形になった。
ラダーはカーボンロッドで胴体に固定する方式を採用。電池の出入口の切り離しも成功。
細部の微調整が終了したのでいよいよフイルム貼りへ。(2016年9月11日)
フイルム貼り
フイルムを綺麗に貼る方法を聞かれることがある。経験値が必要だが、下準備で決まる。例えば、折り返し部は、後で綺麗にカットするのが難しいので、事前に真っすぐにカットして重なり代を考えて位置決めして加熱。
主翼は表面がイエローで裏面がホワイト。胴体と主翼との接続部分は連続性が出るようにバルサ材を追加して成形。
エルロンサーボを固定して主翼完了。 
胴体
モータの下側に冷却用の開口を形成。モータのメンテナンスにも役立つはず。この開口は東急ハンズで見つけた「ステンレス金網」でカバーする予定。
電池開口の蓋やヘッドレストの取り付け完了。
機首
モータ仕様なので機首はすっきり。胴体のフイルム貼りも完了。
水平/水平尾翼は、主翼を取り付けて、これを基準に水平垂直を確認して接着、念のために瞬間+エポキシとした。
尾輪はラダーに直接固定する方式。これも軽量化に貢献。 
メカ室はスカスカ。
これでフイルム貼り完了。
モータを回してみると何か引っかかるような箇所があったので分解。OSモータの分解は精度が良いので簡単。磁石表面を指でなぞってみると、金属の小片があった。どの段階で入ったのか不明。組み立て後に回してみると見事に引っかかりが消えた。やってみるものです。
この段階で全備重量を測定すると1400g。重心は僅かに後ろ重、20g程度を機首部に追加する必要があるかもしれない。
いずれにしても軽量な機体になるはず。(2016年9月18日) 
電池ボックス
電池搭載用のマウントを製作して胴体内に固定。このマウントの下にアンプを収容。アンプの冷却が心配なのでヒートシンクを取り付けておいた。
胴体が細いのでリポ4セル2700mAh程度が適切な大きさ。電池ボックスの蓋はいつものように磁石で固定するようにした。
リンケージ
いつもの方式、手慣れているのであっという間に終了。
これで飛ばせる状態になった。重量:1400gジャスト、アンプの搭載位置を前方にすることができたので、重心がうまく合った。 
風防を忘れていた・・・ステッカーも・・・初飛行は週末かな。(2016年9月21日)


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