バルサ電動機
◆アクロメイト
(飛行編)
初飛行 QRPの機体は3機目、飛ぶことが分かっているので初飛行は気楽。事前に舵のチェックを入念に行い、スロットルハイ。 機体は軽々と離陸して上空へ。右癖があったのでトリムで修正。その他は変な癖がなく飛ばし易い機体。 舵はエルロンが効きすぎでエレベータは少し不足気味、ラダーは適切。複葉機で翼幅が短いのでロールレートが大きく、さらに機速が高くなるとその傾向が顕著になる。ロール自体は軸が通りロールレートは一定。 低速ではハイパーキャット50よりもさらにゆっくり飛んでくれる。翼面荷重が小さいお陰でコブラ飛行もし易そう。 逆宙も問題なし、ナイフエッジの浮きは格別でナイフエッジロールもできそう。 ロール方向の安定性は単葉機にはかなわないが、これは慣れることで気にならなくなるレベル。 上空での視認性は悪くないが、主翼上面にデザインを入れると更に見やすくなるはず。 着陸はかなり低速で吊っても失速しないので楽にできる。 初飛行、無事に終了!本日は3回飛ばしたが、これだけでも機体の特性が大まかに分かってきた。早く指に馴染むようにしたいもの。 これまで飛ばした複葉機の中では性能は突出しており予想通り高性能な機体。 これから文字等を入れて仕上げていくことになる。 図面と材料を提供して頂いた角倉氏には感謝!ありがとうございます。(2017年11月12日) |
サーボ交換など エレベータサーボが鳴くので高トルクのHS-225BBに交換。これでサーボ鳴きは解消されたが、この現象は前作のハイパーキャット50でも経験。左右両引きのリンケージ方法に問題があるのかもしれない。今後の課題。 この機体、ナイフエッジでのアップ癖と背面時の頭下げが気になる。心当たりは重心。当初から前重心かなと思っていたが複葉機の重心位置は単葉機に比べて分かりずらいところもあり、そのまま初飛行。 慎重に重心位置を探り、後部に25g程度を追加。次回の飛行で合否を確認。 胴体側面に文字を入れた。これだけでも凛々しい機体に変身。(2017年11月19日) |
キャノピー製作 キャノピーの色は黒と決めているのでFRPで製作。 スタイロフォームのブロックをタイトボンドで接着して大きなブロックを作り、熱線カッターで大まかに造形。カッターナイフ(オルファ黒刃)で成形して最後はサンディングペーパーで所望の形状にする。ブロックの接着にタイトボンドを使ったが、乾燥すると固くなるのでサンディングに段差ができやすい。OKのスーパーサンダブルボンドはさらにサンディング容易なの、こちらを使うほうが良いかもしれない。 これにガラス繊維をエポキシで2プライ積層。 |
完全に硬化した後にポリパテを塗布。;今回は「モリモリ120」を使用。このパテは120gで700円程度。硬化剤は1.5〜3%、冬場なので3%とした。全体に塗布して一晩放置して完全に硬化させる。 これを240番のサンディングペーパで粗削りした後に600番で仕上げた。最後にスタイロフォームをむしり取って完了。本来ならスプレーパテを塗布したいところ。今回はつや消し黒で塗装するので下地はあまり目立たないはずなので省略。 表面にミッチャクロンを塗布した後に、ラッカースプレーで着色。一回り大きなキャノピーが完成。 この方法は簡単な割には立派なキャノピーを製作できる。ノウハウを1つゲット。(2017年11月25日) |
調整は難しい 普通に飛ばすのであれば問題ないが、振り回すと変な癖が出る。 もともと右に傾く癖があるのでトリムを合わせて飛ばしていた。主翼などにねじれがあるわけではないので腑に落ちなかった。エレベータが左右独立でリンケージされているので、このズレを疑ったが、目視ではあっている。 この状態で、エレベータを大きく打つと左ロール方向に捻じれて危ない状況。ふと左右のバランスをチェックすると右側が重い。左側に重りを付加して様子をみると、この癖が消えた。もちろんエルロンのトリムは不要となった。 複葉機はロール方向に敏感なので、今回は主翼の左右のアンバランスが顕在化した様子。追加した重しは12g、これで一件落着かな。 初飛行後に調整した重心位置により、ナイフエッジ及び背面時の癖は解消。 複葉機の調整は難しいことを痛感。(2017年11月26日) |
調整完了 翼端のウエイト追加でこれまで気になっていた癖がほぼ解消。機体を振り回してもあらぬ方向を向くことが無くなった。 今回のことで、(特に翼幅の短い)複葉機の左右の重量合わせは重要なことが分かった。ピッツなどが失速しやすいのは左右のアンバランスが悪さをしているように思える。 ナイフエッジでの浮きの良さは特筆もの。飛行姿勢が綺麗なので気持ちよく飛ばせる。 これで調整完了、飛ばしこんで自在に操縦できるようにしたい。(2017年12月3日) |
その後 機会あるごとに飛ばしている。かなり慣れてきたので大舵を打たない限り思い通りのコースを飛んでくれる。 安定して飛ばすコツは少しパワーをかけて飛ばすこと。抵抗が大きいので(上下翼の間での風切り音が大きい)スロットルを絞るとロール方向に安定しない。適切にパワーをかけると見違えるように安定する。 あとは飛ばして楽しむだけ。これで製作記事はクロージング。(2018年2月7日) |
修理 QRPのハイパーキャット50は飛行時間も長く思い通りに飛ばせる。ところがアクロメイトの方は今一飛ばし難く自ずと飛行回数も伸びない。ということで再度調整。色々と飛ばし難い原因を探ったところ、スロットル中以下で急に機速が落ちて機体が不安定になるのに気付いた。 スロットルカーブを調整、スロットル1/4の出力を持ち上げてみた。これが効果てきめんで飛ばし易くなった。自分の場合は中スロット以下で飛ばすことが多く、複葉機の抵抗と相まって速度が急に落ちるようだ。考えてみるとピッツも同じような傾向にある。 これに気を良くして低空でグリグリやっていると見事に失速に入りリカバリーが間に合わず墜落。幸い柔らかい地面で機首から落下したのでペラが折れ、胴枠の一部が剥離、そして下翼の一部が破損するにとどまってくれた。ラッキー。 修理は簡単で、ほぼ元に戻った。少しアライメントが狂ったが問題のないレベルのはず。一度墜落した機体は何故かその後の寿命が長い。これで厄払いができたはず。(2018年12月8日) |
(製作編その2)
リンケージ いつもの方法、ホーンはべニア板から切り出して着色。表側にネジなどが露出しないので見栄えが良い。 サーボの取り付け位置はかなり奥まった場所、作業性が悪いが一度固定するとあとでアクセスすることもないので問題はない。 受信機を固定、それでも空間に余裕あり。 |
主翼側のリンケージ完了。 胴体前側の電池固定部も上手くできた。念のために電池の落下防止用のベルクロを取り付けておいた。 舵角は設計図面に記載がない。とりあえず前作のハイパーキャット50の舵角を参考にした。 本機は上下翼にそれぞれエルロンサーボがある。プロポの設定をどうするか悩んだ。ミキシング機能を使うか…、結局のところフラッペロンと同じように考えて設定すれば良いことに気づいた。上下翼で独立的にサブトリムやトラベルアジャストを調整できるので便利。 |
上翼のサーボコード 胴体側にサーボのメスコネクタを固定。以前は部品があったがJRの撤退に伴い入手できず自作。メスコネクタのハウジングを直接胴体に固定するようにしたので見栄えが良い。 |
キャノピ ペットボトルで作ろうとしたが造形がうまくいかず断念。 手元に廃棄した機体のキャノピーがあるが微妙に小さく使用不可。仕方がないので不足分を補ってメス型として、これにガラスクロスをエポキシで2プライ貼り付けた。離型後にラッカーで着色。意外に上手く出来上がった。本当は1回り大きなキャノピが欲しい。今後の課題。 |
本機のサイドスラストの設定値は3度、複葉機はトルク負けし易いのでこれを考えた数値のように思われる。 ペラは11×8を選択、少しでもトルク負けを抑制したいところ。効果は? これで完成。胴体側面の文字は初飛行のあとで作成して貼り付けることにした。(2017年11月11日) |
(製作編)
経緯 QRPのハイパーキャットの大小2機はすでに図面から自作して手元にある。いずれも高性能な機体で満足しているが、その後に発売されたアクロメイトという複葉機がある。残念ながら図面を入手できていないので製作することもできず諦めていた。 先日、ひょんなことからネット上で知り合いになった方が、QRPのスタッフだったとのことで、図面あります?と図々しく聞いてみると、「持っています」との返事。それもトレーシングペーパー版。 主要部品も手元にあるので要ります?とのことで、手間賃だけで図面+部品を送ってもらった。オークションでもキットを入手するのが困難なので非常にラッキー。 |
製作準備 送ってもらった部品をチェック。胴体に限れば上翼の中央取り付けステーは無いが、胴枠等のベニヤ部品はほぼ揃っている。側板があるのは助かる。 モータはOS3825を準備、シルバータイプを購入してみたが、ブルーのほうが見栄えがする(胴体内に隠れるので関係ないが・・・)。モータ仕様とするので防火壁の新設と、電池の固定方法の検討が必要。構造上、モータ取り付け部の下方が斜めになっているので、ここから電池を挿入するようにすると工作が簡単。さらに、上翼中央取り付けステー周辺の剛性にも影響がないので好都合。(2017年10月1日) |
胴体 電動化するにあたり胴枠の改造が必要。・・・で。、念願のドレメル4000を導入。5000〜35000回転まで可変、スタータキットでいくつかのアダプターと工具が入っている。 胴枠を切る抜くには色々な手法があるが、簡単で騒音の少ない方法でやってみた。これまでの安価なルーターとは別物。作業が捗る。 また主脚を4mmピアノ線から製作。ここでも大活躍。これまでの苦労は何だったのか・・・。 今後、不足部品を作るためにベニヤ板の加工が必要になるがドレメルがあるので安心。 |
防火壁は4mmべニヤ、モータ取り付け用の爪付きナットを埋め込んで計算上の位置にしっかりと接着。主脚の固定はムサシノ方式、簡単かつ強固。胴体の骨格完成。 (2017年10月8日) 電池収容方法 モータの下方に電池収容部を形成。電池マウントはいつもの構造、マウントの後端は主翼ステーを支持する胴枠に固定。前端はネジで取り外し可能にしてメンテナンスを可能にする。 |
電池がうまく収容できることを確認して5mmバルサでカバー。開口はあとで適当な大きさに拡張。 |
リンケージ いつもの構成、1mmノイズレスチューブ+0.8mmピアノ線の組み合わせ、エレベータは左右を個別にリンケージして剛性を確保。 サーボのマウントを4mmべニアから切り出して接着。主翼の固定はテトラのウイングロックを使用、この段階で固定。 |
胴体を6mmバルサ、3mmバルサで閉じて完成。剛性の高い胴体となった。 |
尾翼 ラダーは付属のものを使用。 エレベータは新規に製作。1.5mmバルサの上に4mmバルサの前縁、後縁、リブを接着し1.5mmバルサでサンドイッチして完成。 エレベータの動翼も同じ手法で製作。テーパを付けて1.5mmバルサでサンドイッチして完成。いずれの作業も定板上で押さえることが肝心。 これで胴体関係は終了。 |
主翼ステー 6mmベニヤから形成。ドレメルにアタッチメントをつけてベニヤをくり抜くことで簡単に出来上がった。このアタッチメントは上下に摺動するので簡易的なボール盤の機能を果たすので便利。(2017年10月15日) 上下翼の連結用 主翼の上下を連結するステーは入っていたが、主翼側の受け部が無いのでを3mmベニヤで製作。ここでもドレメルが活躍。3mmドリルでボルト穴を形成する際に1.5万回転で穿孔すると、バリのない綺麗を穴を形成できる。 |
主翼製作 主翼は対称翼でフルプランク。幅広の1.5mmバルサを所定の大きさにカットしてバルサ上に直接リブ等の位置を書き込む。不足している前縁材、後縁材を作ってすべての部品が揃えて作業開始。定板上で前縁/後縁の高さを一定にするための治具は必須。 |
構造が単純なので作業はサクサクと進む。いつものようにタイトボンド主体、重しで抑え込みながらの作業。 中央の連結部はオリジナル設計にベニヤを追加して剛性アップを図る。 主翼2枚を製作するので普通より時間がかかるが、何よりも途中で集中力が切れるのが問題。その時は音楽に集中してリフレッシュ。 |
生地完成 この週末は天気が悪く、作業がはかどり生地完成までたどり着いた。今後のために体重測定、合計700g位。 主翼:326g(上翼164g、下翼162g)、胴体:274g、尾翼周り:67g、主翼ステー類:41g (2017年10月22日) アライメント確認 図面通りに製作を進めているが上下翼のアライメントは正しいか気になり確認。基本的にはOK!実際には上翼の迎え角を僅かに低減するよう指定されている。最終段階で微調整が必要になるがこれも構造的に無理なく行うことができるので問題なし。 |
サンディング 胴体の上面の湾曲は事前にカッターで大胆に成形。構造が単純なのでサンディングは捗るが、それでも主翼2枚あるので相応の時間がかかる。 尾翼の造形はハイパーキャット50と類似している。水平尾翼はフルプランクなので剛性が高い。尾翼のブロックの成形も上手くいった。 エルロンの隙間の微調整は240番のサンディングペーパを差し込んで何度もすり合わせ。これでサンディング終了。 |
フイルム貼り フイルムはハイパーキャット50と同じオラカバの「ブライトイエロー」と「ホワイト」。フイルムの重ね合わせ部は専用のカッターを作って高さを揃えてカットすると見栄えが良い。 この機体は直線部分が多いのでフイルム貼り自体は簡単だが、主翼2枚なのでやはり時間がかかる。 主脚を差し込んでエポキシで接着。これで自立。 今週は先週に続いて天気が悪く製作が捗り、フイルム貼りまで終了。ここまでは順調。 懸念点はカウリング。ペットボトルで代用できないか?(2017年10月29日) |
組立中 尾翼の取り付けは、主翼との平行を確認しながらエポキシ+瞬間接着剤を併用して行う。はみ出したエポキシはアルコールで拭いておくと後々後悔しない。尾輪取り付けたので床に傷をつける心配がなくなった。 胴体側面はオラカバホワイトでアクセントを入れた。ここに文字やシールを貼り付ける予定。 重量 機体(メカを含まず)が約900g。モータ、電池、サーボ等で約700gで全備重量1600g。翼面積40dm2なので翼面荷重40g。ハイパーキャット50の翼面荷重は47g・・・軽い!さらに軽快に飛ぶはず。期待できます。(2017年11月1日) |
主翼の固定 複葉機で大切な上下翼のアライメントは治具を使って正確に行う。リブの精度が高く翼形がうまく再現されているので図面通りに位置が決まっていく。左右ステーの位置合わせ終了。中央ステーとも上手く整列。 残りは中央ステーと主翼との連結部の工作、大事な個所なので慎重に工法を検討する必要がある。(2017年11月3日) |
機体完成 ステーにフイルムを貼り、電池挿入部の開口をあけて機体の完成、 メカ類を搭載すればいよいよ完成。メカの搭載は、すでに工作が終わっているので簡単に終わるはず。 機体920g、モータや電池、メカ類で670g、全備重量は予定通り1600gとなった。今月中の初飛行の見通しが立った。(2017年11月5日) |