バルサ電動機



マッドマウスQRP

(飛行編)

初飛行
新年早々初飛行となった。いつも通り舵の方向を確認してスロットルを上げると軽々と離陸。
アップ癖が顕著、エレベータのトリムを調子すると落ち着いて飛ぶようになった。一通りの演技をして気付いたのがモータのダウンスラスト不足。現状では背面でダウン舵が必要。それ以外は舵角を微調整すればOK。ハイパーキャットに比べて胴体側面積が大きくなっているのでナイフエッジの浮きが格段に良くなった。
着陸は容易、主脚が若干短くペラが接地しそうなのでタイヤ径を一回り大きくすれば安心。
飛行特性はやはりハイパーキャップに似ており違和感なし。常に飛行場に持参する機体が復活!(2020年1月2日)
調整終了
モータのダウンスラストをワッシャ2枚分だけ増やたところエレベータのトリムが不要になり背面時のダウン舵が減少。各動翼の舵角を飛ばし易いように調整。
ハイパーキャット50で出来ていた演技はすべて可能。ナイフエッジの浮きが良いのでナイフエッジで軽々と旋回できる。結果、ハイパーキャット50よりも演技の幅が広がった。
少々無理をしても失速に入り難いので安心して飛ばすことができる。良い機体を手に入れることができた。(2020年1月5日)
その後new
飛行時間は既に4時間超え、何でもできるので飛ばす回数が多く飛行時間も延びる。
今回初めて使った中華製のフイルムは剥がれもなく問題なし。自作したキャノピーは問題なく使用できている。
★印をいれて本当の完成となった。あとは飛ばすだけ。(2020年2月20日)


(製作編)

マッドマウス
現在の主力アクロ機はQRPのハイパーキャット50。飛行時間は50時間程度、途中2回墜落を経験しているがその都度復活。初飛行から3年経過しているのでそろそろ引退を考えている。
このハイパーキャット50の次に商品化されたたのがマッドマウス、キャノピー付きでアクロ機の雰囲気がある。この機体、20数年前にエンジン機として製作。当時は可もなく不可もなくといった印象だった。確か低空で墜落してバラバラになった記憶がある。
最新の軽量メカと今の操縦技術をもってすればもっと高度な技ができると踏んで製作することにした。図面はラジ技のデータベースにある。基本、ハイパーキャットからの流用、胴体を一部手直しすればOK。(2019年4月7日)
製作開始
ゼロ戦や雷電を製作していたので手付かずのままだったがやっと着手。現在飛ばしているハイパーキャット50も草臥れてきたので完成が急がれる。
主翼はハイパーキャットの図面を流用できる。胴体は大幅に変わるのでアウトラインだけ図面化、詳細構造は現物合わせでいくことにした。
胴体
側面板5mm、上面10mm、下面3mmのバルサを使用。べニア胴枠はモータマウントのみ、その他は5×5mmバルサ角材で組み上げる。主翼ダウエル受けとウイングボルト受けをしっかり固定しておけばOK、5mmの側板なので剛性十分。
リンケージはハイパーキャットと同じく空野式、エレベータは左右両引き。ハイパーキャットではリンケージが少し渋かった。今回は外筒のノイズレスチューブの位置をしっかり微調整、滑らかに作動。
上面下面を閉じると胴体完成。(2019年11月4日)
胴体完成
胴体の基本構造はハイパーキャット50と同じ。モータは胴体前方から差し込んで固定する形式。電池用のアクセスハッチを組込んで胴体上面及び下面を塞いで完成。サンディングでコーナをカットすれば特異の形状が現れることになる。
主翼
リブは型紙をバルサ材に張り付けて1枚ずつカット。主翼のテーパー比が大きいのでこの方法が無難。
主翼はフルプランクとすることにした。80mm幅の1.5mmバルサを接着して幅広にして主翼全体形状にカット、この上にリブとスパーの位置を直接書き込んで下準備完了。(2019年11月17日)
スパーを所定の位置に接着。今回はフルプランクなのでモノコックによる剛性を期待してスパーの1/3をヒノキ、残りをバルサ角材とした。
後縁は5×10mmのバルサ角材、前縁は補助前縁3mmバルサと前縁5mmバルサの組み合わせとした。
定盤上で治具を使用して組み上げる。瞬間とタイトボンドを併用して重しを駆使してねじれのないように固定して接着。出来上がった主翼はさすがに剛性大。
主翼のカンザシは3mmべニア+2mmバルサで製作。エポキシが上手く行き渡るように事前に凹部を形成。次は左右翼の接合。(2019年11月24日)
左右翼はエポキシ接着剤をたっぷり使用して行う。この大きさ機体の場合は重量増を抑えるためにマイクロバルーンを混ぜで嵩を稼ぐようにしている。
尾翼
3mmバルサで構成した骨材を1.5mmバルサでサンドイッチ、テーパー付きの動翼もいつもの製作方法。
これで生地完成状態になった。
サンディング
機体を飛行場に持ち込んでサンディング。胴体上部は思い切って削って曲面とした。主翼はフルプランクであまり削るところがなく、尾翼も同じなので意外に早く作業終了。
主翼取り付け部の細部の工作、尾翼コーナー部の加工終了。気に入らない箇所を手直しして再度400番のサンディングペーパをかけるとフイルム貼りに進める。
現時点で胴体176g、尾翼65g、主翼260gとなった。ハイパーキャット50とほぼ同じ重量、軽快な飛行性能が期待される。
現行のハイパーキャット50からメカ類を移行する作業も必要。(2019年12月1日)
キャノピー
自作機でいつも悩むのがキャノピー、汎用品を探すのも手であるが最近は入手が難しい。
今回はバルサ型を作り塩ビ板を加熱して成形する方法を選択。ネット上でバキューム成形などが公開されているがなるべく簡易に。100均の写真フレームと硬質カードケース(0.4mm塩ビ板)を使って試作。結局、A4の写真フレームを使って塩ビ板をクリップで挟み込む方法で何とかなった。
硬質カードケースはA3×2枚で200円と安価、手元に予備があるので良質なキャノピーが成形できるようにさらに試行錯誤してみよう。(2019年12月8日)

良しとする
バルサ型はしっかりした台に固定。塩ビ保持枠は側枠でM4ネジで締め上げて強固に保持、上下枠にはピンを立てて塩ビ板の移動を防止できるようにした。
塩ビ板の加熱はカセットコンロを利用。カセットコンロを弱火にして30cm上方で加熱、柔らかくなったところでバルサ型に押し付けて下縁付近を指で修正しながら固まるの待った。
塩ビ板は0.4mmなので最終的にはかなり薄くなりペラペラ状態。それでも機体のネジで固定すると何とか実用にはなり、これで良しとする。
塩ビ保持枠はその機能を完璧に発揮したので、厚手の塩ビ板が手に入ったらもう一度チャレンジしたい。(2019年12月15日)
フイルム貼り
今回、フイルムをネットショップで仕入れた。中華製で仮にF製と呼ぶ。値段はホワイト3400円(5m)、イエロー2100円(5m)。1mあたりの単価はオラカバが約1500円なので格安。素性をチェック。
裏側は白でオラカバに比べて透けない。機体によってはこれが問題になることも考えられる。150度から200度の温度で貼ってみた。200度になると収縮し過ぎとなる。170度くらいで貼るのが良さそう。
粘着力は、明らかにオラカバに劣る。収縮性はオラカバよりも良いので小さな部材にも簡単に貼れるが、熱を加えすぎると表シートと裏シートが剥離する傾向がある。
このフイルムと同じものは以前から販売されており、メンバーのM村さんが3年くらい前から使用中。耐候性は問題ないとのこと。
実際に貼ってみると収縮性が良いので非常に貼りやすい。アイロンを接触させる時間に比例して収縮率が大きくなる感覚、R部へ馴染ませるのも容易。どうしても弛みが取れないときはアイロン温度を200度にするとOK。この場合、フイルムの縁(辺)部を加熱しないように気を付けることが大事。この温度でもフイルムに穴があくことは無い。
フイルム貼り完了
配色はハイパーキャットと同じイエロー+ホワイトとした。視認性が良いので曇天時でも良く見える。サクサク作業してフイルム貼り完了。
尾翼、動翼をヒンジで固定、主脚、尾輪を取り付けて自立。ハイパーキャット50はすでに廃棄済みで使える部品は再利用。
次はメカ済み。(2019年12月22日
完成
電池ハッチは磁石で固定、「カパッ」という音が上手く閉じた合図。リンケージはいつもの方法で慣れた作業。
主翼と胴体横に機体名を入れると締まった印象になる。余白にはネズミ絡みのシートを作成して貼る予定。
これで完成、全備重量は1400gちょうどで前作のハイパーキャット50と同じ。舵角等の設定はハイパーキャットのものを流用、問題ないはず。
課題のキャノピーは飛ばすには問題ないと思うが強度不足。試作継続中。
年明けには初飛行可能。年内完成に間に合いました。(2019年12月30日)

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