バルサ電動機



丸鷹 ゼロ戦

(飛行編)

初飛行new
コルセア、ムスタングと一緒に飛行場に持ち込んで記念撮影、このゼロ戦は実機よりもずんぐりしておりコルセアと同じ位のボリューム感がある。
風の穏やかな中での初飛行になった。エレベータのトリム調整のためにJ後さんに傍についてもらいスロットルハイ、無事に離陸して上空へ、案の上アップ気味、ダウントリムをかなり入れてもらい落ちついた。エルロン、ラダーはノートリム。
上空では少しパワー不足の感があるがロール、ループ、背面などを無難にこなす。ペラはAPCの8×6Eなのでパワー不足は予想していたがトルク負けしないので飛ばし易く、これが正解かもしれない。
上空での視認性は問題ないレベル、日の丸は良く見える。
尾翼の剛性が高いので、コルセア(エレベータが少し剛性不足)に比べると座りが良く旋回も滑らか。このシリーズの中では一番安定した飛ばし易い機体。
明灰白色のせいか上空での写真撮影が難しく、ピントが上手く合わないのは残念、修行不足。
着陸は意外に延びるので注意が必要、一度目は着地したが速度があるのでもう一度離陸してやり直した、期せずしタッチアンドゴーに成功。慣れれば問題なし、本日は無傷で帰還。
リポ電池は3セル1500mAh、1分で10%を消費、8分の飛行が可能。
この機体は正太郎さんからの頂きもの、無事に飛んで良かったです(いつでもお披露目できます)。満足のいく初飛行でした。(2019年9月15日)


(製作編)

シリーズ
丸鷹のハーフAシリーズは、ピッツ/ムスタング/コルセアと製作して飛ばした。軽量メカとリポ電池のお陰でどの機体も良く飛ぶ。先日、15年ぶりにタイヨーゼロ戦を作って飛ばした。デフォルメされているとはいえ飛ぶ姿はなかなかのもの。そんなことでハーフAシリーズのゼロ戦を作ることにした。
この機体は時々オークションに出品されるが結構な値段で落札される。どうしようかな〜と考えていると、おもちゃの町の正太郎さんが持っているのを思い出した。図々しく譲って欲しい旨のメールを送ったところ快く承諾して頂いた。お礼は次回の来福時のおもてなしとすることにした。感謝!
キットの状態は良好、カウリング、キャノピーも問題なし。
製作方針
1)引込脚をどうするか?経験的に10クラスの引込脚は脆弱で着陸時に破損する可能性が高い。コルセアを飛ばしてみると上空では意外に脚は気にならない。ということで悩むことなく固定脚を選択。
2)ラダーはどうするか?もともとラダー固定が想定されている。コルセアではラダーを可動にしたので着陸時の操作が容易。尾輪も可動なので離陸も容易。よってゼロ戦もラダー可動式を選択。問題はラダーへのリンケージ。ラダーは水平尾翼よりも高い位置にあるのでリンケージが水平尾翼の上を通ることになり見栄えが悪い。コルセアも同様であるが、コルセアの場合はラダーのヒンジラインが水平尾翼よりも前方にあるのでリンケージを内装する充分な空間がある。ゼロ戦には充分な空間が無いので内装式は難しい。思案のしどころ。
3)主翼は他の機体と同様にフルプランクにする。フイルムはオラライトの白を使用してスプレー塗装。
4)付属のバルサ材は重いので軽量バルサに置き換える。
・・・といったところか。(2019年6月6日)
胴体
製作開始。胴体は丸胴になっているのでスケール感があるが、製作は難しくなる。基準面がないので治具を使わないとすれば目視に頼るしかない。さらに難しくするのが、バルサの質と精度。ハードバルサが使用されているが、硬くて胴枠に沿わせて湾曲させるのがほぼ不可能(水分を与えても)。無理すると割れる。胴体の下部のバルサを手持ちのバルサに交換。左右2枚で17gだったが交換すると7g。胴体のプランクはすべて交換する必要がある。
骨格を構成する3×3mmの角バルサ、何も考えずに接着すると胴体が捻じれてしまう。一端は3×3だが他端はそれ以下となっていた。隙間をスクラップバルサで埋めて辻褄を合わせて捻じれのない状態にした。
ラダーのリンケージに悩んでいたがM村さんからテトラのゼロ戦はワイヤー式との情報をもらった。見栄えも悪くないようだ。ワイヤー式を検討する。バルサの件やリンケージのことなど、この機体を完成させるには色々とクリヤすべき点が多い。マルタカのキットはこれが楽しい。(2019年6月9日)
主翼
胴体の主翼取り付け部の周辺の構造が分かり難いので先に主翼を作ることにした。
フルプランクなのでまずは1.5mmバルサを接着して幅広にして主翼形状にカット。このプランク材の上にリブの位置を書き込んだ。これで図面なしで組むことができる。もちろん表面側はサンディングしておく。
主翼リブはフルプランクに対応して不要となる部分をカット。周縁をサンディングして翼型を整えた。
関連する部材を揃えて準備完了。(2019年6月12日)
開始
エルロンは2サーボにする予定だったが、付属のトルクロッドの重さは12g弱。2サーボにした場合、サーボマウント、主翼側の補強、サーボコードなどが加わるので余りメリットが無いと判断して1サーボを選択。、そうなると工作が楽になるので作業がはかどる。
上面プランク材を定盤上に置いて、これにリプを接着。前縁材、補助前縁材、後縁材は軽量なのでそのまま使用。
下面側には主脚の取り付け用の堅木をエポキシで接着。前縁中央にはダウエルを差し込んで接着するための受けを形成。
最後に下面プランク材を瞬間とタイトボンドを併用して接着。図面上指定は無いが、ねじり下げをつけておいた(2度位か?)。
主翼完成
左右翼はカンザシを使って接着(オリジナルはテープを巻いて接着剤で固めるとある)。上反角は左右翼端で35mm。ここはエポキシ接着でしっかり固定。
翼端は5mmの軽量バルサで埋めた。重量増は片側2gで重量への影響は少ない。
これで主翼完成!フルプランクなので剛性大。(2019年6月15日)
胴体再開
先日、ハーフAピッツがオークションに出されておりその説明の中に本HPのピッツのページにリンクが張られていた、他にもグライダーでも同じような経験あり。色々な人が参考にしてくれているのは嬉しいが、一言あってもしかるべきと思うこともある。
ハーフAのゼロ戦のキットが世の中に何機残っているか分からないが、主翼から製作されることを勧める。
主翼と合わせてようやく全体構造を理解できた。フィレットのブロックの取り付け方法、フィレット後端の胴体とのつなぎ方法などは図面では上手く表現されていない。また、各サーボ、リンケージの干渉を防止するために、主翼+スケルトン状態の胴体で確認できれば無駄のない作業ができる。
リンケージ
リンケージはいつもの1mmチューブと0.8mmピアノ線で行った。滑らかに動作するのを確認しながら適所を固定して撓みを防止するのがコツ。
難しいのがラダーのリンケージ。いくつかやり方を考えたが、今回は尾輪を直接動かして、これにラダーを連動させる構造を採用してみた。水平尾翼の下方でリンケージが露出するので見栄えを損なうことがないハズ。上手く作動すれば良いが、万一の時はワイヤー方式に変更するつもり。
これで難しい作業が終了、残りをプランクすれば生地完成になる。
尾翼は3mmのハードバルサ、重量があるので作り替えたほうが良い気がする。(2019年6月16日)
メカ積み
胴体を閉じる前にサーボを取り付けて干渉していなことを確認。サーボはEMAXのES08AII、9gを使用。滑らかに作動する。
燃料タンクの位置に電池マウントを固定。リポ電池は3セル1600mAhを使用。リポ電池の着脱は主翼を外して行う。
モータはEMAXのGT2218/09を使用、APC8×6で推力1000g程度。
この段階で重心をチェック、ほぼ指定位置。フイルムや塗料のことを考えると極力前重心にしておく必要がある。尾翼は軽量バルサで作り替えることにした。
全備重量は700g位になりそう。コルセアが730gで軽々飛ぶことからこのゼロ戦もよく飛んでくれるはず。(2019年6月19日)
進行中
胴体のプランクは適宜分割して行う。欲張って無理をすると後で後悔、胴枠部分が浮き出る可能性もある。
尾翼は作り替え。3mmバルサの骨組みを1mmバルサでサンドイッチして定盤上でしっかり押さえて乾燥させる。動翼はテーパーをつけておく。元の尾翼一式は41g、これが28gになった。モノコック構造になるので剛性が格段に向上。
これでほぼ生地完成状態になった。今回はキット付属のプランク材や尾翼を使わなかったのでかなりの部材が余った。スクラップバルサとして再利用。
この機体はカウリングの後部とフィレット部に逆Rがある。以前、ごくらくトンボさんから頂いたナイフが活躍。工具の有無で作業性及び仕上がりが良くなる。
サンディング
いつのも場所でサンディング。ここは日陰で人通りが少ない。小一時間かけて240番で整形。不良個所を修正して後日最終仕上げとなる。
尾翼周り
ラフにサンディングしたところで尾翼周りを加工。尾翼は元の3mmバルサ単板から5mm厚でテーパー付きとしたので適宜構造変更。パテ埋めして整形すれば滑らかな造形になるはず。
フィレットは主翼上面と滑らかにつながる。無垢のバルサブロックからの削り出しなのでパテでの修正も容易。
生地完成
主脚、尾輪を取り付けて自立。尾輪周りの工作は我ながら上手くいったと思う。見栄えの良いラダーリンケージとなった。
ムスタングと2ショット、ゼロ戦はきれいな機体と再認識。丸胴が良い。
この時点で全備重量680gとなった。(2019年6月23日)
フイルム貼り
サンディングを終えてフイルム貼りへ。今回、新たな試みとして「Eライトフイルム」を使ってみることにした。このフイルムはオラライトよりも軽量。貼り難いという話も聞くが温度管理をすれば綺麗に貼れるらしい。そこで正確に温度制御できる「VIPアイロン」を導入。
実際に尾翼を貼ってみた。このフイルムの温度は180〜200度と指定があり、目盛りを200度に設定、結果は上々。バルサへの食いつきはオラライトよりも良さそうで、フイルム自体薄いので重ね貼り部が目立たないのは有難い。
フイルムの強度が心配だが、この機体はフルプランクなので被覆さえ上手くできればOK。価格が安いのも魅力。(2019年9月1日)

フィルム貼り完了
このフイルムは温度管理さえすれば上手く貼れる。気を付ける点は収縮率が低いこと。尾翼や主翼では問題にならないが丸胴などの曲率の大きな個所ではしわが残る。思い切って分割して貼るのが良い。この機体では無理してしわが残ってしまったのが残念。
機体の色をどうするか?以前、正太郎さんから頂いた丸の「日本の戦闘機」という本にゼロ戦21型の白っぽい色のイラストが載っていた。調べてみると初期型では機体全体が明灰白色だったとのこと。一般には機体上面は暗緑色が主流、見飽きた感もあるので今回は明灰白色に決定。
田宮のスプレーAS2を使用。ヨドバシカメラには2本しか在庫がなかった。途中で使い切ったので近くの模型屋さんに聞いてみると1本だけ在庫があった。この模型屋さん、現在はラジコンから手を引いておられるが、福岡のラジコンの歴史をご存知。渡辺専司先生や猿渡氏、藤本氏など多くの方と一緒に福岡でラジコンを広めた方のようで小一時間貴重なお話聞かせて頂いた。
塗装完了
塗装は機体を組み立てた状態で行った。胴体はモータマウントに保持部材を取り付けて自在に回転できるようにした。
フイルム貼り⇒アルコールで脱脂⇒800番のサンドペーパで軽くサンディング⇒ミッチャクロン塗布の手順を踏んだ。結局スプレー3本分を消費。強風の中で塗装したので多くは風に吹く飛ばされたような気がする。
カウリングはつや消し黒、キャノピーは明灰白色、スピンナーはメタリックシルバーで塗装。
この機体にキット付属のデカールを載せてみるとゼロ戦らしくなる。(2019年9月8日)
リンケージ
モータはE-MAX GT2218/09 1100KVを使用。9インチペラで1000g超えの推力が出るはず。ペラはAPC8×6Eを使用。
リンケージはいつもの方式、今回は尾輪を直接動かしてラダーを操作する新しい方式を採用。上手く作動。エルロンはトルクロッドの入力部が左右に離間しているのでリンケージがハの字。サーボの位置が後縁に近いのでこうなったが(図面上サーボは前縁側にある)、お陰で1サーボでデファレンシャルをつけることができた。
一部を除いて組み立て完了。重心位置OKで全備重量750gとなった。コルセアとほぼ同じで重量なので軽快に飛ぶはず。
これで飛ばせる状態になった。残りの作業はヘッドレストと主翼下面の冷却器の製作、取り付けと、デカール貼りなどの仕上げ作業のみ。週末には飛ばせるかも。(2019年9月11日)

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