バルサ電動機



スチンソン リライアント
(飛行編)

初飛行
早速飛行場に持ち込んで記念撮影。屋外でもスカイブルーは映えて視認性良好。東風3mと少し強めだったが初飛行を敢行。
舵の方向を再度確認してスロットルを上げるといきなり離陸、これにはびっくり、上空で様子をみるとエレベータが敏感、そして頭上げ、トリムを合わせて落ち着いたところでエレベータ舵角を70%に落としたがそれでも敏感、後ろ重心のような挙動なので一度着陸。一応、初飛行成功?
胴体後部の40gの重りを取り外し、エレベータの舵角を50%にして再度離陸。今度は頭上げせずに水平に飛んでくれた。左右の旋回はアドバンスヨーの癖もなく滑らか。低速で旋回しても失速の気配なし。旋回時に主翼上面のスカイブルーが良く見えるので姿勢が分かりやすい。
舵角はフライトモードスイッチで3舵を同時に切り替えるようにしているので、エレベータの舵角を小さくすると他の舵角も小さくなる。その関係で、エルロン、ラダーの舵角が小さすぎたようで、ロールを試みたが上手く回らなかった。
ひとしきり遊んで着陸、無事の戻ってきて一安心。この機体、
・素性が非常に良い
・軽すぎてふわふわ飛ぶが、パワーを入れるとしっかり安定して飛ぶ
・多少の風でも飛ぶ
という印象。
重心位置は設計図に合わせたがこれが曲者、重心はかなり前になるようで今後、詰めが必要。各舵角のバランスの再調整も必要。
飛行中の写真がないのが残念だかスケール感あり。完成まで3か月、それに見合う飛行を見せてくれて大満足。(2021年2月28日)
調整完了
初飛行は強風の中で行ったので細かなことは分からなかったが、
・重心OK
・エレベータの適切な作動量±15mm
であることは間違いなし。舵角はこのエレベータの作動量を基本にして再調整した。少し頭上げの癖があるのでモータのダウンスラストを追加。
少し機速を上げて飛ばすと安定するのでペラを12×6から12×8に変更。
この設定で再挑戦。早朝の無風時に飛ばしてみた。結論は非常に飛ばし易く安定して飛びさらにロール、ループを軽々こなしてくれる。
旋回はラダーを追加することで更に滑らかにできる。高翼機でグライダーのような諸元なのでもっともな話。エルロン→ラダーミキシングを設定しておくことにした。着陸は簡単、接地時のショックが小さく主脚への負担は少ない。
写真撮影のためにT永さんに操縦してもらった。ありがとうございます。早朝で少し暗いが飛行する姿を記録することができて満足。調整終了(2021年3月6日)
完成
前回の飛行時に気になったのがスロットルオフからオンにした時にモータが滑らかに始動しない症状。この症状は一瞬でその後は普通に回転する。精神衛生上良くないので、設定ボードを入手してタイミングなどを変えてみたが症状は改善しなかった。
アンプの個体差か?搭載していた60Aのアンプを同じシリーズの50Aのものに交換してみた。するとこの症状が出なくなり問題解決。アンプとモータの相性が悪かったのか?
重心位置を再度確認、設計図面では前縁から90mm、実際には70mmが飛ばし易かったのでこれを正解とした。
これで全て完了、あとは飛ばして楽しむだけとなったのでこの製作記事も完了。(2021年3月9日)
飛行中の写真new
やっと綺麗な写真の撮影に成功!時間をかけて作った機体が自在に飛んでくれるのは喜びもひとしお。(2021年3月27日)



(製作編)

その2

ストリンガー
この機体の場合、胴体上側及び下側のストリンガー構造は再現しておきたい。最初は3×3mmバルサ角材で製作、しかし、強度不足は否めず上面に1.5mmバルサを接着してみたがこれでも強度不足。運搬時にこの部分を握ると泣くに泣けない状態になることが想像できるので3×3mmヒノキ角材に置き換え。結局、1.5倍の重量増にはなるが、これで安心。
生地完成
コックピットの屋根は10mmバルサを2枚積層して切り出して接着。片持ちになるのでステー装着。
尾輪はテトラの尾輪セットを使用。この手の部品はいつまで供給されるのだろうか。中華製は・・・。
カウリングを固定。機体のサイズはこれに合わせてあるので上手く嵌る。結局はこのカウリングの配色に合わせて機体のデザインを決めてしまう気がする。
細々と手直しして生地完成。胴体と尾翼はサンディングまで終了。主翼のサンディングは後日。
写真では下反角が付ているように見えるが、下から見ると確かに上反角が付いている。
エルロンのサーボマウントと主翼ステーの製作が残っているが、この時点で体重測定。リポ電池も含めて全備重量1880gと健闘。最終的には2200gを切るのは間違いなし。
重心は少し前重心。フイルムの重さなどの考えると丁度良いと思う。
大きな尾翼、安定して飛ぶこと間違いない。(2021年1月24日)
フイルム貼り
エルロンサーボのマウントを製作。サーボはハイテックのHS-81を使用。
主翼のサンディングは飛行場で行なった。前縁の曲率を出すのに少し苦労、厚翼はこの辺が難しい。その後にパテ埋めして最後は400番のペーパで仕上げ。
尾翼、胴体からフイルム開始。胴体の構造が単純なのでフイルム貼りは容易。胴体下面のストリンガー構造はフイルムの張力で歪むことがなかった。ヒノキ材にして正解。胴体の目処は立ったところだが、主翼は手ごわそう。(2021年1月31日)
フイルム完了
ガル翼のフイルム貼りは難易度が高い。今回は継ぎ目を少なくするために、中央部(胴体部分)と左右翼の3分割としたので特に難しくなってしまった。アイロンとヒートガンを駆使したが思うようにはいかないもの。実用的には問題のないレベルなのでこれで良しとした。
組み立ててみると改めてボリュームを感じる機体。飛ばすのが楽しみ。(2021年2月8日)
脚カバー
この機体の場合、脚カバーを付けることで益々ボリューム感がアップする。1mmベニヤを基材にして両面に5mmバルサを接着して整形。脚とカバーとはエポキシ接着剤で固定。フイルムを貼り付けてスパッツを固定して完成。
キャノピー
これは現物合わせで製作。クリアホルダーのシートで型紙をとり、0.4mmの塩ビ板に書き写してカット。窓枠、ピラーを白色に着色して完成。
塗装
カウリング、スパッツに合わせて着色。水色、スカイブルー、ウルトラマリンの3色を試し塗り、結局スカイブルーが正解。
マスキング後にいつものようにミッチャクロンを下塗りしてから塗装。この週末は風が強いものの気温20度、塗装には好条件、近所の公園で無事に終了。
キャノピー固定
ピラーはカーボンロッドを使用。固定ねじは1.5mm径で長さ3.5mm、実は前作のシュトリヒで使わなかったねじ。本機で活躍してもらった。
メカ積み
アンプはモータマウントの上に固定。受信機はガラガラの胴体の真ん中に固定。
リンケージはいつものやり方で簡単に完了。
ほぼ完成
送信機の設定も完了して飛ばせる状態。残作業は、
主翼ステー(飾り)/胴体側面の窓(シールを予定)/胴体横のステップ(乗客用のはしご)/胴体と主脚との間のぼろ隠し
位となった。無くても飛行には問題なし・・・。あとは垂直尾翼のスチンソンリライアントのマーク、どこかで手に入らないかな。
重量/重心
全備重量2150gと目標通り。重心は少し前気味、後部に40g位を載せるとバランスするが今のままでも問題ないように思えるが・・・。
完成した機体を眺めると我ながら上手くできたと思う。特にガル翼はねじれもなく正確にできた。これまで多くの機体をフルスクラッチで作ってきたが、最も難しく最も面白い機体となった。上手く飛んでくれるハズ(2021年2月21日)
完成
主脚と胴体の間のぼろ隠しは最初バルサブロックで製作。しかし、何か違和感があるので却下。代わりに田宮の0.3mmのプラバンで作製。接着は両面テープ、これが意外に上手くいった。ブラバンが薄いので少し透けるが気にしない。
主翼ステーは2mmカーボンロッドの先端に1mmピアノ線で作ったボルト受けを取り付けてバルサ材でサンドイッチ。整形後にフイルムを貼って完成。胴体にカーボンロッドの挿入穴をあけてここに差し込むだけ。
胴体側面の窓はカッティングシートから切り出して貼り付け。
これで完成。初飛行に向けて胴体後部に40gの重りを固定して準備OK(2021年2月27日)



その1

経緯
手持ちの丸鷹RCモデルのカタログの中で異彩を放つのが本機。カタログでは「上面ガルタイプ、下面直線といった伝統的な独特のガル翼をもったスチンソンリライアントSR8は、1930年代、当初は商用単発機として開発され、アメリカ合衆国で広く使用されました。1/6にスケールダウンされた本機は、他の高翼機と同じく安定性がよく、肩のこらないユッタリ飛行が楽しめます。この優雅な曲線美を再現し、マイルドなフライトをお楽しみください。」とある。
この機体をお持ちのN川さんに聞いてみたところ安定しているとのこと。特異のテーパーの強い翼平面形状で失速に入りやすいのかと思っていたがそうでもないようだ。
丸鷹のキットは翼長2m超えで保管の問題もあり50クラスで製作する予定、翼長1.6m、全長1m位になる。テトラのフライベビー50と同じような諸元、翼面積は37dm2程度。
最近入手難しかったバルサ、やっとSクラスの1.5mm、2mmのシートを入手できた。特に1.5mmバルサは50クラスの機体のプランク材として使用するので無くなると困る。手持ちのバルサであと何機製作できるか?
図面はOUTERソーンやラジ技のデータベースにあるが、今回はフレアー社の図面を使用する予定。ガル翼の構造、胴体後部の構造など検討する箇所が多い。カウリングの形状も課題。(2020年11月23日)
準備中
基本となる図面は何種類かダウンロードして作り易そうな構造のものをセレクト。結局、2.5m超えの大型機の図面を拝借、シリーズ9でマルタカキットのシリーズ8に比べてカウリングが長くなっている。
図面を拡大、翼長:1650mm、全長:1100mmとした。この図面では主翼2分割、今回は製作及び現場での組み立てを容易にするために1枚翼とする。ガル翼の部分の構造は断面図から理解できた。先日完成したシュトリヒと比べると翼根の翼弦が違う。リライアントは翼弦320mmもある。
50クラスの複葉機を廃棄したのでOSモータを含めてメカは一式ある。今回は軽量化のためにカーボン素材を使おうと考えており既に入手済み。
カウリングは、オークションで使えそうなものを発見。以前、京商から販売されていたリライアントの部品のようで、大きさは問題なし。ニーズが無いようで安価で落札できた。
モータ、リポ電池を図面に合わせると余裕で入る。セスナスカイレーンの様に電池は下面から差し込む予定。
フラップをどうするか?同じような大きさのフライベビーやセスナスカイレーンでの経験から今の飛行場では必要ないと思われるので廃止方向で検討する。(2020年11月29日)
材料調達
機体を製作する際に必要不可欠なのが5×5mmのバルサ角材、手元の残りが少なくなったので調達。以前はホームセンターでも手に入ったが最近は在庫切れ。そこで東京神田のレモン画翠さんに発注。まとめて発注すると送料無料になるので航空ベニヤや桧角材なども同時に発注。手元の5×5mmのバルサ角材は70本になった。何機分か?
カウリングとスパッツが到着。いずれも綺麗な状態、自作で作る場合このように綺麗に仕上げるのは大変。ここまで揃えると後戻りできない。
機体の構造は概ね理解できている。まずは胴体から。(2020年12月5日)
胴体
胴体は前部が円形、後部(主翼前縁から後方)は四角形となっており製作を容易にするために両者を別々に作って合体することにした。後部はストリンガーで組むようになっているが、捻じれなく組み立てるのは難しい。そこで1.5mmバルサから胴体の側板を切り出し、これに5×5mmのバルサ角材を骨組みとして接着。結構な剛性の側板が出来上がる。2枚の側板を捻じれのないように接着して胴体のベースが完成。
必要に応じて補強を加えていくが、主脚と主翼受け以外はあまり強度は必要ない。カーボン板やロービングを使って軽量な胴体とする
ネットオークションで瞬間接着剤を安価に購入できる。低粘度なので使いにくい点もあるが硬化促進剤を併用すれば良好な結果が得られる。この胴体のようにサンディングが必要でない箇所に多用できる。一度開封すると早く使い切らないと固くなってしまうのが難点。(2020年12月7日)
進行中
胴体の主要部完成。手本になる方法がないので試行錯誤で製作。胴体後部はバルサのみ、前部はバルサ+カーボンのハイブリッド。前部と後部の結合は1mm×6mmのカーボン部材で行った。これが意外に具合が良く、剛性のある胴体になった。
リポ電池はカウリング後方で下面から挿入するようにした。電池受け部材も固定。あとは2mmバルサでプランクすれば前部は完成。
胴体の上面及び下面は胴枠+角材で凸状に形成する。これは簡単な作業、胴体の目処がたったところ。(2020年12月13日)

ピアノ線で作るつもりだったが、ちょうど良い大きさのカーボン脚を見つけたのでこれを使用。取り付け部はべニヤ板でキッチリ製作。ARF機にありがちな取り付け部が折れたり座屈することはないハズ。モータマウントは側板3mmべニヤ、前板4mmべニヤで製作。防火壁も裏側から適宜補強。
胴体前部を2mmバルサでフルプランク、剛性十分。リンケージは、0.8mmピアノ線+1mmノイズレスチューブ、胴体に適宜固定して撓み防止。サーボマウントも組込み完了。残り作業は上下のストリンガー部のみとなった。
尾翼
尾翼は、いつも通りに5mm厚の骨材を1.5mmバルサでサンドイッチ。剛性十分。動翼も同様の構造。この機体はラダーが大きく90クラスのフライベビーのラダーとほぼ同じ大きさ。安定性良さそう。
重量
エレベータ63g/ラダー43g
ついでに、胴体450g/カウリング80g/モータ230g/電池250g/サーボアンプ等150g
となり、合計1300g弱
主翼は一体もので作るので500g程度のはず。そうするとフイルム入れて2000g程度となる・・・かな?(2020年12月27日)
主翼
特異な形状のガル翼を如何にして捻じれなく作るか?図面を眺めながら閃いたのが分割翼の構造を踏襲すること。
リブの前縁と後縁を結んだラインは、各々のリブで常に平行で同じ高さになる。このラインに合わせてカンザシを挿入して左右翼を連結すれば良いことになる。
ガル翼部分のリブに正確に前後に2つの穴をあけ、ここに内径6mmのABSパイプを挿入して固定。これに外径6mmのカーボンパイプを挿入して左右翼を連結できるようにした。2本のカーボンパイプを使うので飛行中にバンザイすることは無いはず。
また、ガル翼部分ではリブの高さが減少するのでスパーも湾曲、治具を当ててスパーとリブを接着するようにした。
まずはガル翼部分よりも外側の外翼を製作。リブは2mm、プランク材は1.5mmバルサ。外翼はテーパーが強烈なこと以外は構造が単純なので製作は容易。(2021年1月6日)
ガル翼部分を組み込んで上側スパーを接着。上下にスパー間にバルサ材をかけ渡して剛性を確保。まだ捩じり剛性はなく心配になる。
後縁を真っすぐにするためにプランクはアルミ材を使って固定して接着。この作業も主翼全体に重しをかけてアライメントの狂いが出ないようにする。
前縁側に補助前縁を接着。3mmバルサを使用。補助前縁を使うと前縁をしっかり接着でき、後の作業もやり易くなる。
ほぼ完成
前縁側の上面プランクを接着。ガル翼部分で3次元で形状が変化するので無理のないように分割して接着してゆく。また、プランクを突き合わせ接着する際はバルサ裏面にあらかじめ受け材を接着してこれを利用して接着する。
前縁の5mmバルサは未接着であるが、基本的な構造が完成。
この状態で300gと予想よりも軽量。カンザシ等の補強を十分に行なえる。(2021年1月10日)
主翼完成
左右の主翼は6mmカーボンパイプの使用を考えていたが強度が心配なので、ステンレスパイプやアルミロッドを検討。どれも今一、最終的にはカーボンロッドで決着。これに基づいて中翼を製作。主翼前縁が左右翼で一直線になるようにカーボンロッドの角度を調整してエポキシ接着剤でしっかり固定。
中翼は中央部が盛り上がる形状。3×3mmのバルサ角材をかけ渡して1.5mmバルサでプランク。剛性十分。
前縁材を接着し、エルロンを切り出して主翼完成。重量445gとなった。(2021年1月17日)

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