バルサ電動機



エアロスバル FA-200

(飛行編)

初飛行
年の瀬も迫った先負の日に初飛行。「先んずれば即ち負ける」で「急いだり慌てたりせず、平静を保つ日」らしい。これを肝に命じて初飛行に臨む。
飛行場で組み立ててまずは写真に収めた。家の中では扱いに困るが現場ではさほど大きさを感じないのはいつものこと。家の中ではフルパワーにしたことがないので飛ばす前に推力チェック。推力十分!モータ音は静かでボルトマウントが効いている様子。
今回はM口さんにサポートについてもらった。事前の舵の確認を何度も行いスロットルオン。7割位のパワーで無事に離陸、上空でトリム合わせ、エルロン、ラダーはノートリム、少し頭上げ気味なのでエレベータを数トリムダウン側にして適切になった。
上空では非常に安定している、大型機特有の座りの良さも体感できる。上反角6度の効果。上空で失速特性をチェック、スロットルを絞りエレベータをフルアップにすると、何と傾くことなく頭を上げた状態でそのまま降下、スピンに入らなかったのは驚き。
この機体、運動性が良いのでスタントに挑戦。ロール、ループ、ストールターン、インメルマンターン、連続ロールなどを軽々こなす。背面での安定性も十分。
胴体側面積があるので、ナイフエッジに挑戦、さほど高度を落とすことなく飛行場の端から端まで飛ぶ。これは意外だった。
一通り試して着陸へ、1度目は無風だったこともあり高度処理が上手くいかずパス。2度目は少し遠くから回してきて無事に目の前で接地、飛行場の隅からタキシングで帰還、もちろん無傷。
この機体、安定性と運動性の両方を高い次元で持ち合わせている。タイトな旋回も楽々こなすので扱い易い。同じ大きさのフライベビー90も扱い易いと思っていたが、明らかに本機の方が優る。
飛行時間6分で電池(6セル4500mAh)残量は60%、スタントをしなければ70%と省エネ。1本の電池で2回は飛ぶことになる。
本日は3フライト、非常に良い機体を手に入れました。(2023年12月29日) 
その後
初飛行から10回程度飛ばした。決して良い風の中では無かったがいずれも破綻することなく思い通りに飛んでくれた。
本機、前脚が少し短いので地上では前のめりの傾向があったので主脚のタイヤを70mmから65mmに変更。これでほぼ水平になった。
この状態でも離陸時に機速がついても離陸し悪く、エレベータのアップ量を増やすと突然急角度で上昇してビックリする。慣れの問題で今では滑らかに離陸させることができる。
そのお陰でタッチアンドゴーでは着陸と共に地面に吸いついたように滑走、アップの操作を行うと綺麗に離陸、そう、着陸時全く跳ねない。これは良いです。
その他に気に入らないところもなく、さらに手を入れる箇所も見当たらないので、これで製作記事は終了。めでたしめでたし。(2024年1月28日)
中島new
先日は三菱/川崎/中島の機体が集合。そして本日は中島の隼/疾風/エアロスバルが集合。エアロスバルの実機のカタログには「伝統美をもつスマートなスタイル」とあり「隼や疾風に似たスマートな細長い胴体」と紹介してある。似ているか・・・な?(2024年2月17日)


(製作編)

(その2)

再開
長期間中断。涼しくなったこともあり製作を再開。
キャノピーの前窓、実機は上部が大きく湾曲している。こんなのを作る技術はないので上部はバルサで成形。キャノピーはスモーク又はグレーにする予定。塗装で誤魔化すことにした。
電池の収納のためにキャノピーは中央は取り外し可能とした。
尾翼のフィレットも製作。ここは意外に上手くできた。
カウリングの下部に冷却用の吸気取り入れ口を製作して取り付け。バルサパテで成形するとそれらしくなってきた。
そして左右の主翼を連結。1.8mの一本ものになった。益々部屋の中での取り回しが大変になってきた。(2023年10月9日)
フイルム貼り 
主翼の取り付け部を作り、ようやく胴体と主翼がつながった。
そしてフイルム貼り開始。手元にある白色のフイルムは「オラカバ」「中華製」「KKフイルム」の3種類。適正温度がいずれも異なるので気を付ける必要がある。
尾翼及び胴体の一部が終了。難関はカウリング、分割ラインを工夫する必要がある。胴体、主翼は構造が単純なのでここは問題なさそう。(2023年11月19日)
進行中 
胴体まで終了。(2023年11月26日)

フイルム貼り完了
主翼はKKフイルムを使用。推奨温度120度とあるが??。アイロンにソックスを履かしているので温度伝達量が少ないのか上手く貼れない。150度まで上げるとOK。しかし、フイルムが縮まないので皺を取るのが難しい。170度でなんとか、200度にすればそこそこ。
矩形翼でこの様子なので、胴体などには使いにくい感じがする。ラジコン1が扱っている中華製フイルムの方が良く縮んでくれるので作業が容易。ちなみにカウリングは中華製フイルム、自在に縮んでくれる。
KKフイルムは、最初から皺が生じないように引っ張りながら貼っていけば上手くのは間違いないが、どこかで辻褄が合わなくなったときに往生する。自分としては今後は中華製フイルムを使うことにする。
メインギヤを取り付け。主翼の固定はM3ボルト2本で行う。強度の心配は無いはず。
尾翼を接着。嵩が増して益々取り回しが大変になってきた。
重心?
全ての部材を借り組みして重心チェック。重量物の6セルリポは重心位置の近くに置く予定。これで30%のところで重心が合った。リポ電池は主翼を取り付けたままで搭載できるので現場での電池交換が容易。
作業は順調に進行中!(2023年12月3日)
進行中
製作の終盤を迎え、細々した作業が続く。動翼を取り付け、サーボ、アンプ、受信機を所定位置に固定等々、面白い作業が続く。。 
残りは、リンケージ、機体デザイン、風防や窓の取り付けとなっている。リンケージは手慣れた方法なので簡単。問題は機体のデザイン。実機は色々なデザインがあるがどんなにするか悩み中。
全備重量は3.2Kg程度と予定通り。(2023年12月10日)
リンケージ
エルロンサーボのマウントを製作してこれにサーボを固定。コードは延長コードを使用せず直結してトラブルを防止。
エレベータは0.8mmピアノ線と端部の1.2mmのピアノ線を使用するいつものやり方。今回も滑らかに動くものとなった。ラダーはワイヤリンケージ。これも上手く出来た。
動翼の作動量は、図面上には記載されていない。ほぼ同じ大きさのフライベビー90のデータを参考にして、
エルロン:上20mm、下10mm
エレベータ:±30mm
ラダー:±60mm
とした。
飛行可能
カウリング内にアンプとステアリング用のサーボを固定。カウリング自体に大きな開口があるので冷却性能は問題ないはず。
リポ電池は6セル4500mAhを使用。電池マウントを作って取り付けた。胴体内にはサーボと受信機しかないのスカスカ、適宜、配線をまとめておいた。
風防と窓は0.3mmプラバンにカッティングシート貼りつけて製作してみた。窓は、最初は複数のビスで固定してみたが、ビスが目立ち過ぎて良くない。
そこで、瞬間接着剤を使用して固定。プラバンは瞬間接着剤と相性が良く、しっかりと固定することができた。全体的には見栄えは良くないが、飛行中には見えないので良しとする。
これで、飛行可能な状態になった。機体のデザインはシンプルにしようと考えている。(2023年12月17日)
デザイン
デザインは実機のカタログ(初号機)に紹介されているものを参考にした。
主翼の機体番号はカッティングシートから切り出し。貼りつけは霧吹きで洗剤入りの水を塗布して泡が混入しないようにして行うと上手く行く。
胴体の番号はインクジェット対応のフイルムラベルを使用。耐水性のあるタイプで寿命はあるはず。
富士重のロゴはエクセルの図形を利用して写真を見ながら作成。思いのほか上手くいった。
これで完成!初飛行は天気さえ良ければ年末を予定。問題なく飛ぶハズです。(2023年12月24日)


(その1)

経緯
ラジコン技術のデータベースを眺めてみるとスケール機の製作記事が多い。その中で有ケ谷氏のエアロスバルFA200は以前から興味はあったが大型機ということもありこれまでは検討外。
現在手元にあるフライべービ90は完成から14年、相当な回数を飛んでおり劣化は否めない。特に問題なのがフイルム。いつか剥離してしまう気がする。いずれ張り替えか廃棄せざる得ないと思う。
そんなことで、同じような大きさの機体としてエアロスバルを製作することにした。図面通りとすると翼幅2.2m。主翼の強度と重量を考えると一体物として作るのがベスト。そうすると車での運搬の問題があり翼幅1.8mが限界。従って、この大きさで作ることにした。
重量は電池込みで3kg+アルファ、そうするとリポ6セルでKv値の低いモータとなる。15インチのペラを考えてみたが、スケール的には13インチが最適。これ以上のペラでは地面クリアランスが問題になる。モータはいくつか候補があるのでもう少し検討。
この機体、層流翼が選択されているが色々と難しさもあるようなので、半対称翼とする予定。フライべービ90の翼型が参考になる。ほかにも諸々に課題があるのでこれをクリアしてから製作開始となる。(2023年4月2日)
方針
主翼
一体構造でフルプランク、上反角は実機通り7度。翼端エルロンでフラップ無し。現在の飛行場ではフライベビー90がフラップ無しで問題なく離着陸できる。
バルサ材はリブ2mm、プランク材2mmを使用。翼型はフライベビー90のものを拝借。
尾翼
図面では水平尾翼、垂直尾翼共に翼型をもっている。実機のエアロスバルの水平尾翼の上面はフラットとなっており翼型をもたす必要はないと判断。垂直尾翼も同様。フルプランク、翼の厚さは10mmとする。
胴体
胴枠はバルサ材で製作、肉抜きせずに単純な構造とする。胴体の構造は単純なので製作にあたり課題はないはず。
キャノピー
バルサ材の甲板貼りで製作。出来れば一部を取り外し可能として電池を上部から脱着できるようにすることも検討。
カウリング
モータのメンテナンスを容易にするために防火壁の前方で取り外し可能にする。

モータ/サーボ/アンプ/タイヤ/メインギヤ/ノーズギヤを入手。バルサ材は手持ちのもので足りるはず。(2023年4月13日)
尾翼
尾翼は、バルサ7mmの骨組みを1.5mmバルサでサンドイッチする構造。動翼も同様の構造。
簡単な構造なので早々に完成。水平尾翼の幅は約70cm、これまで製作した機体では一番長い。
胴体 
胴体の側板は3mmバルサ、左右2枚を作り、同じ寸法に微調整。長さ130cm位。上縁は一直線、これが胴体を製作する上での基準になる。
胴枠は、防火壁はべニア板、他はバルサ角材で組み上げることにする。5mm、6mm、8mmの角材を補充。東京お茶の水のレモン画翠から大量に取り寄せ。
8mmの角材は機首部のブロック材として利用する予定。(2023年4月23日)
基本構造完成 
構造は簡単。3mmの側板と6×6mmの角材で構成。バルサ角材をカットするために鋸ガイドを入手。上手く使えば角材を希望の長さにカットできる。
胴体の側板は平面、スコヤを使って垂直を確認しながら組み立てると捻じれのない胴体になる。
この胴体の基準は直線の上縁と、コックピットのフロア部材。フロア部材は長さを正確にカットして治具として利用。組み立てると長さ130cm、幅20cmとなり、正直、持て余す大きさになった。
各所の補強と胴体上部の製作へと続く。(2023年5月8日)
モータマウント 
モータマウントはボルトマウント方式とする。十字モータマウント2枚と4mmボルトを準備して6mmベニヤの防火壁に取り付けてみた。
強度上の問題はないと思われる。この方式はサイドスラスト、ダウンスラストの微調整が簡単なのがメリット。
カウリング
機首部は側板の内側に8×8mmのバルサ角材を接着して造形し、これを防火壁の前方でカットしてカウリングとする算段。
しかし、実際の造形は3次元構造を理解しないと上手くいかない。図面と、実機の写真を頼りにしてカットアンドトライで作業して何とか形になった。後日のサンディングが楽しみ。
この段階でリンケージを組み込んだ。エレベータは左右独立として、フレキチューブとピアノ線で構成。ラダーはワイヤ引きととする。サーボを適当な位置に固定して完成。 (2023年5月21日)
進行中
胴体後部に着手。胴枠は3mmバルサで製作。5mmバルサの角材をストリンガーとして接着。この上に予め湾曲させた3mmバルサをプランク材として接着。
プランク材に3mmバルサを使うのは初めて。比重の軽いバルサ材を選択して、しっかり水分を与えて湾曲させた。接着剤は瞬間とタイトボンドを併用。
プランクすると急に嵩が増えた。これにキャノピーが付くと結構なボリュームになる。(2023年5月28日)
前部
胴体前部は後部と同様の工程で3mmバルサで製作。3次元曲面なのでプランク材は分割。3mmバルサを使用しているのでサンディング時の削り代を確保できるので成形が容易。だんだんと形になってきた。(2023年6月4日)
胴体ほぼ完成
機首部を造形、スピンナーの後方の凸部を再現。これは軽量5mmバルサを積層してカッターナイフで成形。
下面を成形するために治具を製作。これに合わせて大胆にカット。そしてサンディング。
サンディングはいつものベンチ。日陰で涼しく人も来ないので絶好の場所。小一時間かけて胴体と尾翼を成形。実際の機体の写真を見ながら作業。
自分としては先ず先ずの出来栄え。
尾翼取り付け
尾翼は、胴体側の位置決め用のロッドに水平尾翼を挿入し、さらに垂直尾翼を挿入して固定する方式。全体剛性が格段にアップするのでよく使用する方法。
水平尾翼のカウンターマスは実機通り動翼から前方に伸びるようにした。マス部の強度を心配したが、10mm厚のバルサ材を使用するので強度不足は無いと思う。
胴体は、カウリング部を切断する作業と、キャノピーの製作が残っている。これは後のお楽しみとして、次は主翼の製作に入る。(2023年6月11日)
主翼開始 
丁度2週間前、ランニング中につまずいてしまい体を手で支えた時に手首を負傷。実際には右の手首、病院でレントゲンを撮ると骨には異常なし。じん帯が伸びたとの診察。右手は流石に日常生活に支障あり。特に捩じりが入る動作が痛くて大変。仕事は騙しだましこなすことができた。年齢を重ねると気を付ける必要あり。こんなことでカッターナイフを使うのもままならず製作中断。
やっと思うように手首が動くようになったので作業再開。
リブは2mmバルサから切り出し。片翼15枚の合わせて30枚を製作。プランク材は2mmバルサを足し合わせて幅30cmにした。これにスパー、リブ位置を書き込んで下準備完了。スパーは前方6mm、後方5mmのバルサ角材。
組み立ては捻じれに気を付ければ簡単。(2023年7月2日)
進行中
リブを全て接着して基本構造が完成。リブ間の補強材、カンザシ、主脚取り付け部材などを準備。手首が完治していないので意外に時間がかかる。
これらを基本構造に組み込んで接着。カンザシの上反角は6度、実機の特徴的部分なのでこの角度を踏襲。
この状態で片翼190g程度、思ったよりも軽いので補強を追加することにした。(2023年7月9日)
主翼完成
適度に補強を施して裏面をプランク。2mmバルサを使用。構造が単純なので作業は容易。
後縁はしかっりと抑えて直線を確保。接着剤はタイトボンドと瞬間接着剤を併用。
前縁剤は10mmバルサから切り出し。主翼ダウエルは主翼内に形成した受け部に差し込むようになっている。
翼端ブロックは10mm、5mmバルサを積層して製作。少しでも軽量にするために中心部はくり抜いておいた。適度に成形、後日、サンディングで造形。
これで主翼完成。片翼320g弱となった。このあとエルロンの切り出しとサーボの組み込みへと続く。当分製作を楽しめる。(2023年7月17日)
エルロン切り出し
エルロン動翼についてはプランク時に必要な部材は組み込んであり、カットラインも記入済み。カットラインに沿って、鋸、カッターナイフで慎重に切り出し。
開口部はバルサ材で蓋をすれば完成。
リブ、プランク材ともに2mmバルサなのでカット時にバルサ材が破損することもなく上手く出来た。
しかし、片翼側のエルロンが捻じれてしまった。単なる工作ミス。切れ目を入れて修正も考えたが、新調した方が早いので急遽製作。
今度は上手くいった。
サーボ用の開口、メインギヤ用の穴も開けた。いずれの位置も事前にクリヤシートに書き写してあるので、それに従ってカットするだけでOK。
これで左右の主翼を連結する作業を残して主翼は完成。主翼の連結は後日。(2023年7月23日)
カウリング切断 
カウリングは分離式。位置決め用のピンを使用するための事前にノイズレスチューブを組み込み済み。切り取りラインに沿ってカッターナイフで切り込みを入れて鋸を差し込んで慎重に切断。その際に同時にノイズレスチューブもカット。
上手く切断できた。位置決めピンも上手く機能。
キャノピー
胴枠をどうするかいつも悩むところ。今回は3mmバルサで製作。手本はラジ技の昔の製作記事。
本機は、キャノピーの前側部分を取り外しできるようにして、リポ電池の交換を容易にする。そのために、前後の胴枠は各々2枚重ねて最後に切断するようにした。
胴枠に5mmバルサ角材のストリンガーを架け渡し、その上に3mmバルサを貼りつけた。キャノピーは全体的に3次元形状なので3mmバルサは事前に湾曲させてさらに甲板張りとした。ラフにサンディングして一応完成。
これでほぼ生地完成。重量を測定、リポ電池6セル4500mAhまで加えて約2.8kgとなった。完成重量3.2kgとすると、翼面積50dm2なので翼面荷重は64g程度となる。(2023年7月30日)

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