バルサエンジン機



◆パイロットJr200

(電動化)

経緯
飛行場での騒音問題が出る前にエンジン機の消音を試すためにムサシノ方式のサブマフラーを装着してみた。実際に飛行場で飛ばしてみると高音域が抑えられて静かになることは分かった。しかし、フルハイにするとやはり騒々しく、サブマフラーを装着するよりも飛ばし方を工夫するのが有効と思われる。
サブマフラーを装着して飛ばしていると突然エンジンから騒音が・・・降ろしてみるとどうもベアリングが痛んだ様子。原因は分からないが、久しぶりに飛ばしたのでオイルが十分に回りきらないうちに上空にあげたのが悪かったのかもしれない。
そんなことでエンジンを降ろすはめになったので、これを機に電動化することにした。
仕様
モータ(20クラス)とリポ電池3セル3700mAhは仲間(J後さん)からの頂きもの。エンジン280g、燃料タンク70g(燃料入れると200g)の合わせて480gに対して、モータ135g、リポ電池290gで425g。後ろ重心になるが、エンジン仕様では後部に50gのウェイトが入っているのでこれを外すと丁度良いはず。
ペラはAPC9×6EでMax25A程度。
今回はジャイロを搭載してさらに機体の安定化を図るのも試す予定。
改造
改造は簡単に完了。リポ電池が大きく(幅がある)電池ハッチからは入らない。主翼を外して胴体内に装着してコネクタの接続を電池ハッチから行うようにした。
重心はウエイトを追加することなく上手くあった。結局全備重量は1200gで翼面荷重は43gとなった。
飛行
2回目の初飛行はもちろん成功。エンジンよりもパワーがあるので簡単に離陸、上空でトリム合わせを済ませて水平飛行、ロール、ループ
、ストールターン、どれも問題なし。
ラダー機の見せ所は旋回。ラダーを切ると一定のバンク角で綺麗に旋回する様は気持ち良い。本機が得意とする低空では尚更。
3セル3700mAhの大きなリポ電池を使っているので、7分の飛行で25%消費。1本の電池で約20分飛ぶことになる。飛行中の消費電力が少ないはずなので、後半のパワー不足を感じることはない。
この安定性なのジャイロを使うメリットは無いというのが結論。
エンジン仕様で出番の少なかった本機は、今後飛行回数を重ねることになるはず。(2019年5月12日)

モーターカバーnew
エンジン露出なら格好も良いが、モーター丸見えでは見栄えが良くないのでカバーを取り付け。アクリル板にプリンタから出力した格子模様のシートを貼り付けて完成。当時の雰囲気あり。
演技
ラダー機でできる演技は、
離陸/直線飛行/場周飛行/宙返り/バレルロール/ストールターン/タッチアンドゴー/着陸など
難易度上げて
水平ロール/インメルマン/キューバンエイト
これらを組み合わせると一通りの演技になるので練習してみよう。(2019年5月16日)




(飛行編)

初飛行
少し風が強く飛ばすのを躊躇したが、先に飛ばしたハイパーキャット50が風の影響をあまり受けなかったのと、以前製作したジュニア100が意外に風に強かったので問題なしと判断。
一回り大きなサイトー40を搭載したフラミンゴ20とツーショット。無事に飛びますように。 
エンジン始動せず・・・スロットル低側のリンケージ問題がある様子。プロポのトラベルアジャストを調整して無事に始動。
スロットルを上げると、風に煽られて前のめりになりペラが地面に接触してエンジン停止。前輪が固定なので慎重に離陸する必要がある。2度目は上手く離陸、風にも負けず上空へ。ラダートリムを数コマ左側に設定してトリム合わせ完了。
もちろん安定性は問題なし。本意ではないがすこし演技、宙返OK、ロールも可能、ラダー機らしくなく結構軸が通ったロールにびっくり。尾翼の剛性が良い結果を生んでいるように思われる。そうこうしている間にエンストしてしまったが、無事に着陸してホッと。。
非常に扱い易いやすく、今回も満足できる機体になった。最初にこういう機体に出会うと上達も早くなると感じた次第。
ゆっくり飛ぶので撮影も楽々。
2度目の飛行でもまたエンスト、バブレスタンクの配管方法に問題があるようで、本来の配管に戻すことでこの問題は解決するはず。(2018年2月3日)
タンクの問題
タンクの配管を見直したが問題はなかった。タンクに圧力をかけると内袋が十分に膨らんでいない様子。新品のタンクで気温の低い状態だったのでその傾向が顕著になった様子。
飛行場で給油する際に空気抜きを閉じた状態でポンプを回すと結構入っていく。この状態でキャブに接続するとキャブから燃料が流出、これで加圧がうまくいったはず。エンジンを始動して上空で7〜8分飛行、結局エンストせずに無事に着陸。
ペラ選択
エンジンの説明書にはペラは9×6〜10×6とある。現在、10×6を使っているがレスポンスが今一歩、次回は9×6に変えて様子を見ることにした。
離陸
離陸時に前のめりになる傾向があるが、主脚のタイヤの締め付けがきつすぎてタイヤが滑らかに回っていないことが判明。次回は軽々と離陸するはず。
風の穏やかな中で飛ばすことができた。安定性と運動性を兼ね備えたラダー機であることを再認識。良い機体です。(2018年2月20日)
ペラ交換 
タンクの問題は解決したはずだが、飛行後にタンクを見ると空気が混入している(原因不明)。また、内袋が固いのか燃料の給油がうまくいっていない様子。現行のバブレスタンク110cc、これを手元のバブレスタンク170ccに交換。
こちらのタンクでは給油時に内袋がうまく膨らんで本来のタンクの機能を発揮。これで問題解決のはず。110ccのタンクはどこか不具合がある様子。内袋を取り出して普通のタンクとして再利用かな。
ペラをAPC9×6に交換。途端にレスポンスが良くなり、飛ばしやすくなった。地面とのクリアランスも確保できるので着陸時にペラが接地してエンジン停止ということがなくなった。
これで満足できるレベルの機体になった。サイトーのシールを貼り付けて完成をアピール。(2018年3月18日)


(製作編)

SAITOのFA30SH
このエンジンはフライべービー30に搭載していたが、機体の電動化に伴ってお役御免になった。サイトーサウンドは魅力的、30クラスとはいえ良い音がする。
このエンジンを生かすための機体を検討。テトラのフラミンゴ20や沖氏のオーバーザレインボーなどが候補に挙がったが、エンジン音を楽しむなら安定性の高いラダー機、目の前を安定して飛ぶ機体が良い。
以前製作したパイロットジュニア100は安定性が高く、ラダー機ながら舵がよく効くので少々の風でも苦にならなかった。
それなら一回り大きな200が良いのではとなり、図面はすでにスクラッチビルダーさんから頂いているので手っ取り早い。
必要な部材は殆ど手元にあるのですぐに作業に取りかかることができる。
今回のコンセプトは、エンジン回転時に機体側からのノイズの発生を低減してエンジン音を楽しむこと(2017年12月4日)。
材料調達
製作に必要なバルサシートは手元に揃っているが、バルサ角材は不足気味。ホームセンターにある場合もある、既にチェック済みの近場ではなく少し遠くまで足を延ばして調達成功。5×5や10×15等の主翼製作に必要なバルサ角材を入手できた。2〜3機分はありそう。
リブ完成
今回の翼型はフラットボトムのクラークY改、大量生産しやすいのでベニヤのリブ型にはさんで成形、精度の高いリブが完成。
胴体
側板は3mmバルサをベースにして要所を2mmバルサで補強。積層にするのは接着が面倒だが軽量かつ剛性のある側板になる。
エンジンマウントは6mmべニアを2枚エポキシで接着して形成。防火壁も6mmべニア。ここには前脚を固定。前脚は簡単のために固定式、機械的振動による異音を防止する効果もあるはず。
主脚は3mmピアノ線、これはムサシノのプレーり号で使われているのと同じ。機体の重量は1.2Kgを超えるはずなので強度に疑問はあるが、今の飛行場の環境では直陸時の衝撃が少ないので問題ないと踏んでいる。
エンジンマウント周りの主要部の工作は概ね終了、エンジンを搭載してみると干渉等の問題なし。(2017年12月10日)
機首部の工作
15mmのバルサシートから機首部を成形。機首部の形状は図面では分かり難いが、組み立て説明図に写真がついており随分参考になった。エンジンを載せると雰囲気が出る。
燃料タンクはバブレス110ccを使用。タンク用のマウントを作って接着、タンク自体はタイラップとバスコークで固定。タンクの上はメンテナンスハッチとして開閉自在にする予定。エンジンマウント周辺は燃料対策でエポキシを塗布。(2017年12月14日)
胴体ほぼ完成 
サーボマウントを取り付け、サーボはラダー/エレベータにハイテクの30g、スロットルのはハイテックの16gを使用予定。
リンケージを組み込んで胴体の上面及び裏面を閉じてほぼ完成。残りの作業はキャノピー周り、これは主翼のダウエルとの関連があるので今後の作業になる。
主翼
すでに主翼リブは切り出し済み。主翼はフルプランクにして剛性を稼ごうかとも思ったが、こういう機体でフルプランクもどうかと思うので通常の構造とした。スパーは5×5mmのバルサ角材だけ、要部をモノコックにして更に板厚も増やして剛性を確保。スパーが一直線になるように慎重に接着。これさえ気を付ければあとは簡単。リブの直角を出すのに百均で見つけた木のブロックを使用。
翼端は昔の機体に多い楕円形状、この形状を図面からコピーして3mmから切り出して接着。 
この主翼は完全なフラットボトムなので作業が容易、前縁材は、10×15mmのバルサ角材を使用。しっかりした前縁となった。
基本部分が完成。
左右翼のカンザシを作り、主翼固定用のダウエル及びウイングボルト受け周りの工作をすれば上面プランクが可能になる。 (2017年12月17日)
主翼連結 
上面をプランク、翼端部の傾斜板は翼端リブと上手く合う形状になっているので、微調整だけで綺麗にプランクすることができた。
主翼の連結は3mmべニア+2mmバルサを積層したカンザシを使用。主翼中央のリブの傾斜角は事前に合わせてあるの今回は僅かな微調整で左右主翼がピッタリ合った。エポキシで接着。
主翼完成
リブキャップを取り付けて完成。この状態で重量は140g、翼幅130cmなので軽量。(2017年12月24日)
尾翼完成 
尾翼は3mmバルサの骨組みを1.5mmバルサでサンドイッチして形成。動翼は骨格をテーパー加工して製作。しっかり押さえて乾燥させて完成。
生地完成 
これで全てが完成。重量を測定すると、
胴体:260g
主翼:140g
尾翼:50g
エンジン、ペラ、タンク:360g
サーボ、電池、受信機:140g
で、合計950g。
これにフイルムやタイヤ等が加算されるとしても1200gを超えることはないはず(図面では1500g〜1700gとなっている)。主翼面積は28dm2であり1200gで完成とすれば翼面荷重43gとなる。スローフライトが期待できる。(2018年1月3日)
エンジン搭載
一通りサンディングを行ったところで実際にエンジンを搭載してみた。干渉もなく問題なし。タンクを仮に取り付けて配管、これも問題なし。タンク上部は開閉可能としてあるので作業が容易。
この状態で重心をチェックすると予想通り前が重い。後部に60gのウエイトを取り付けてバランスが取れる。フイルムの重さが加算されるので少し減るとしてもかなりの重さである。
胴体の最後尾は開閉できるようにしてあるので、この空間にウエイトを配置、見栄え向上が期待できる。 (2018年1月8日)
主翼固定
主翼はゴム止めも考えたがゴムの管理が面倒。着陸時にヒューズ作用を必要とすることもないのでダウエル+ウイングロックとした。ダウエルの位置合わせを慎重に行って胴体に対して主翼を正確に位置決め。ここはエポキシ接着剤を使用。
尾翼を固定するブロックはもう少しサンディングが必要。各スリットに垂直及び水平尾翼がうまく収まった。
これで機体全体が出現。適度にボリュームがありバランスの良いデザインです。(2018年1月11日)
フイルム貼り 
デザインは全体をオラカバのホワイトを貼りブルーでラインを入れることにした。昔のラジ技を参考にしながら適宜決定してゆく。
胴体の前部を残して貼り終えた段階で主脚を固定。これで作業がしやすくなる。直線的な形状なのでフイルム貼りは容易。(2018年1月16日)
完了
ベースとなるフイルム貼り完了。主翼と尾翼にラインを入れて、主翼に機体名を入れると完成。
メカ積み
燃料タンクとエンジンを搭載。スロットルへのリンケージはスムーズに作動。
サーボの搭載も完了。エレベータ、ラダーへのリンケージはいつもの方式で簡単。
この段階で重量測定。既に重心合わせの重りは胴体後部に取り付け済み。
主翼:194g
胴体(バッテリ込み):940g
の合計で1134gと随分軽い。少し補強を追加するか。(2018年1月21日)
リンケージ 
動翼とサーボをいつもの方法で連結、舵の残りもなくスムーズに作動。エンコンも同様の方法で連結してリンケージ完了。
図面には主翼を外した状態での重心位置が記載されている。その位置にカーボンロッドをかけ渡して固定、重心チェックと運搬が楽にできる。 
エンジン機は、特に重ね合わせ部でのフイルムの剥がれが気になる。今回はポリウレタンを筆ぬり、ついでに脚のいピアノ線にも塗布。錆止めになるはず。
機体のデザインは今のままがスッキリして良さそう。視認性を確認して追加のマーキング等を検討することにした。
重量
胴体:960g
主翼:200g
合計、1160gとなった。必要であればウエイトを追加する。
これで完成!初飛行は天気の良い日におこなう予定。(2018年1月27日)

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