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萱場式A3−1号

<飛行編>

初飛行
皆さんから無理はしないようにという忠告を頂いている。幸い本日の午前中は無風に近く、草の多い場所で投げてみた。
第1投、手を離れた機体は見事宙返り、ヒエ〜、幸い無傷で生還、予想はしていたがびっくり。トリムを調整して第2投、何とか水平飛行をするもヘロヘロ。
機首に30g程度のウエイトを積んで投げてみると綺麗に水平飛行できるようになった。エルロンを切って旋回・・・曲がりません、ラダーで何とか旋回はしたが、ラダーを深く打ってしまい、いきなりスピンに入って墜落。砂浜に落ちたので今回も無傷。
これは一筋縄ではいきません。
水平飛行時の安定性は良いが、旋回時に翼端から失速に入りやすいようだ。捻り下げが不足?。で、エレボンを少し跳ね上げ気味に設定して、重心を合わせながら適切な設定を探った。
この後で何とか旋回できるようにはなったが、実際に風のある中で上手く飛ぶかは未知数。何度か着陸を繰り返すうちにエレボンサーボがギヤ欠けして本日は終了。
さすがに何度も投げては着陸したので、細かな傷が入るは、スキッドは根本から折れるは、最後の着陸で隠れた石に当たって前縁が破損するは・・・今日は惨敗。帰宅後に修理、飛ばせる状態に戻した。
動力無しの無尾翼機、かなりハードルが高い。第一に翼端失速の限界を体得しないと山で遭難することは必至。(2009年3月28日)
一条氏の製作記事を読み直してみると、
@エルロンの舵角は多め
Aラダーを固定(不作動)にして飛ばしてみるとエルロンを打っても直進し続け、少しづつ旋回
Bラダーの舵角は10〜15度
とのこと。ラダーの舵角を大きくすると旋回時に機首下げの癖がひどいようなのでエルロン→ラダーミキシングを掛けてラダーの大舵を打たないようにしてみた。
何度か投げてトリムを調整、旋回が上手くいくようになってきた。飛行の様子を見ていた仲間から、もう少し前重心にしてみたらというアドバイスを受けて+15gのウエイトを追加。
これが大正解、急に舵が利くようになり思うように旋回できるようになった。やっと飛びました。
しかし機体は満身創痍、投げた途端に風にあおられて宙返りして機首を破損。グラステープで補修しながらの飛行テストだった。
<設定情報>
本日の状態での機体データをとりました。今後の参考に。
全長:580mm、全幅:1500mm、翼面積:39dm2、重量:660g、翼型:NACA23012
捻り下げ:5度(製作誤差で4度位?)

重心位置
計算ソフトを使用して、
翼根コード380mm、翼端コード:170mm、後退角28度、CGポジション20%(通常位置)とすると230mmとなる。
本日の設定では結局225mmとなった。

エレボン初期跳ね上げ:5mm、エルロン舵角:上10mm、下7mm、エレベータ舵角:上下共に8mm、ラダー舵角:左右共に40mm
エルロン→ラダーミキシングでラダーは左右25mm移動
(2009年3月29日)
修理/微調整完了
破損した機首を修理、折れたスキッドは航空ベニアで作り直した。
重心位置には印をつけて、その位置を釣り下げることができるようにした。機首のバッテリ、ウエイトを固定。
リンケージも無理がないように微調整。これで全て修理完了。山に持って行く日が待ち遠しい。(2009年3月31日)
久しぶりに土手ソアリング、目の前を往復させるだけですがその姿は魅力的。
パイロットは「かものはしかも」君に頑張ってもらっているが、目の前を飛ばすと正直物足りない。オークッションでレトロな感じの人形を落札750円。
この機体にちょうど良い1/6のスケール、胴体の下部をカットして上手く収まった。
ステファンという名前、遠目には日本人に・・・見えません(笑)。スケール感アップ!(2010年12月4日)
スピン
今回も久しぶりに土手ソアリング。
ぎりぎり浮く程度の風の中で機体の挙動をみながら操縦、適度な緊張感が楽しい。
土手に沿って往復させるがスピンに入る限界を探りながら旋回・・・で、風が弱くなった時に見事にスピンに入り墜落。
目の高さで飛ばしていたので機首が少し潰れただけで飛行には問題なし。
この機体、飛行中は安定はしているが旋回するには慣れが必要。独特の操縦感覚は癖になる。面白い機体です。
本日はパイロットのステファンが良く見えました。(2011年10月1日)

本日は強風の中を長時間飛ばすことができた。この機体は厚翼なので速度は出ないが、進入性が良く風に負けることなく走ってくれる。
エレベータとラダーを上手く使えばタイトな旋回も可能、設計者の一条氏の製作記事の通りのイメージで飛んでくれます。
強風時の発航は少し下向きに投げること、上向きに投げると急激に頭上げを起こしてその場で宙返り→撃沈となる。
まあ、この機体を飛ばしているのは日本に何人もいないと思うので、こんな情報も参考にならないか・・・(笑)。(2011年10月2日)


<製作編>

構想(というか妄想)
過去のラジコン技術誌をデータベース化、製作意欲が湧く機体をたくさん発掘できた。
その中でも目を引いたのがこの機体。設計者は一条卓也氏で1976年4月に掲載された。ガルモデルからキット化されたか否かは不明。
この機体で気になる点が2つ。1点目は重心位置の記載がないこと。2点目はSカンバー翼を採用していること。
重心位置についてはデータベースを調べてみると、ラジコン技術の2005年4月号に求め方の詳細な解説があり解決。
Sカンバーはリブの切り出しや製作が難しくなるので避けたいところ。2002年10月号にホルテンVの製作記事があり、Sカンバーではなく準対象翼+ねじり下げで滑空性能を向上させた例があった。これで問題解決。
図面を拡大して原寸図を準備。機体全体は1.5mmバルサ中心になっている。バルサ材の調達から作業開始、本当に完成にたどり着けるかどうか自信なし!(2009年2月17日)
材料は揃ったが
翼型の原寸図の準備完了。メカは廃棄予定のEPP機から拝借。バルサ材の調達完了。フイルムはミニモア製作の余りのテックスフイルムを用意。
強烈なテーパー翼で捻り下げのついた翼を正確に組み上げるには治具が必要か・・・。簡単かつ正確な製作方法を考える必要がある。(2009年2月24日)
リブ切り出し完了
ベニヤ板で製作したテンプレートに22枚(片翼11枚)のバルサを挟み込んで整形。
テーパ比が大きいので左右の翼で微妙に大きさが異なるのでこれを修正。スパーの入る溝を形成して完成。(2009年2月26日)
製作進行中
主翼の組み立ては後縁に捻り下げ用の治具を配置して行った。組み立ては簡単そうで意外に難しく・・・詳細は省いて・・・概ね完成。主翼のスパンは150cm、中央リブの翼弦は約40cm。
ラダーは4mmバルサから切り出して完成。
図面では胴体は主翼からゴンドラ状につり下げるようになっている。しかし、構造を上手く理解できないので・・・自分で考えることにした。(2009年3月1日)
胴体着手
バルサで胴枠を作り主翼の強度部に接着。その後、胴体の側部及び下部を1.5mmの航空ベニアで作り、胴枠に沿って接着。
垂直尾翼は胴体側部の航空ベニアで挟み込み、位置を微調整して接着。
これで基本的部品は全て一体になった。この時点での重量は240g。完成重量は700g(設計図に記載)になっている。
最近の軽量メカのお陰で(重心さえあえば)劇的に軽くなるが、スロープで飛ばすので軽く作っても仕方がない。
要部の補強を遠慮なくしておこう。
情報
ネット上に興味深い情報を発見。
@全翼機の重心を計算するサイト(RC実験工房さんで紹介あり)
http://fwcg.3dzone.dk/
※リンクに登録しました。

A萱場式1号機(本機)のキット存在
YAHOOオークションで発見。ガルモデル製であり全幅180cm全長69cm、製作中の本機の1.2倍の大きさ。
1973年までのRC技術には紹介されていないので、もっと古いキットか?謎です。数日間は「カヤバ式」で検索するとヒットします。
オークションなので写真が消えないうちに勝手にコピーしました。出品者さんスミマセン。(2009年3月3日)
※25,500円で落札された、ヒェ〜。
生地完成
垂直尾翼の根本は1mmバルサでプランク。
この段階でサーボの配線を済ませアンテナ線を組み込んで主翼をプランク。
胴体は2mmバルサを10mm幅の短冊状にカットして胴枠に貼り付けた。これが簡単なようで難しい。形を整えるために瞬間接着剤を使用。サンディングで苦労するのは分かっているが・・・。
これで生地完成。
サンディング
飛行場でぼちぼちサンディング。予想通り胴体は苦労したが形になってきた。
大まかにサンディングを済ませて凹凸をパテで埋めて再度サンディング。
細かな所は残っているがほぼ完了!
妄想から現実へ
サンディング時に気になった箇所を修正。特にノーズ部の形状は図面や写真ではよく分からなかったので、連続性が出るように修正。
この時点で重量は300gジャストで軽い。構造上剛性は十分。しかし、プランク材とした1.5mmバルサは材質の問題もあるが、少し弱い感じがする。重量的な制約がないのでプランク材だけでも2mmバルサを使用した方が良かったと思う。
ここまで作業が進んでようやく完成が見えてきた。やっと妄想から現実になってきた。
主翼の製作方法に少しコツが必要。今回の製作は少し強引に組み上げた感がある。もう一機作る機会があればもっと上手く製作する自信あり。(2009年3月8日)
エルロン切り出し
エルロンをカッターナイフで切り離して3mmバルサで蓋をして完成。意外に捻り剛性があり追加の補強は不要と判断。
エルロンサーボの取り付け用の開口を形成、開口周辺はバルサ材を設けてベニア板の取り付け用とした。
フイルム貼り
フイルムはソーラーテックスのホワイトを用意。垂直尾翼周辺→胴体部→裏面のフイルム貼り完了。
主翼面積が大きいので1本でまかなうのが難しくなってきた。そこで表面は手元に残っているオラテックス・ナチュラルホワイトを流用。この部分は青色に塗装する予定なので違和感は無いと思う。本日はここまで。
キャノピーは形成途中。(2009年3月15日)
塗装の手前
表裏共にフイルム貼り完了。エレボン、ラダーをヒンジで固定して塗装できる状態になった。
重心
この状態で重心をチェック。計算上の重心位置はカーボンロッドを掛け渡した位置。機首部に単3電池4個120g位を配置してみると・・・ほぼ重心が合うではないか・・・感動的。
電池込みで555g、塗装の増加分とサーボ3個と受信機が加算され、全備重量600g程度。(2009年3月17日)
塗装完了
できるだけ古風にということで選んだ色はズバリ「水色」。表面はこれに赤いラインを入れた。裏面も水色に塗装してブラウン色のライン。なかなか良い雰囲気になってきた。
現在、テックスフイルムは「オラテックス」と「ソーラーテックス」の2種類が入手できる。
マスキングテープを使う場合、ソーラーテックスの方がマスキングテープが良く付く。ということは、マスキングテープの糊がテックスフイルム上に残りやすく、温度が上がるとこの傾向が顕著になるので要注意。(なお、これはソーラーテックスの「ホワイト」とオラテックスの「ナチュラルホワイト」とを比較した場合です。)
メカ搭載
全尾翼の世界というHP(http://www2s.biglobe.ne.jp/~FlyWing/FlyingWing.html)にこの機体の記事がある。ここに掲載された写真を見る限りオープンコックピットになっている。
キャノピーの製作が進んでいないこともあるので、急遽、オープンコックピットに変更(単に面倒くさくなっただけ)。
エレボンサーボの固定完了。完成が近づいてきた。(2009年3月20日)
リンケージ
各ホーンは適宜大きさを決めて2mmベニヤ板から切り出し、エレボン/ラダーに接着して着色。
重心位置から後方の重量を低減するために、エレボンはテトラのカーボンロッドアジャスターCM型を使用、また、ラダーはワイヤ引きとした。
ラダー保護のためにプラスチック製のスキッドを使用。
メカ室はスペース十分、受信機の電池はニッケル水素の750mAhを使用した。
重心合わせのために機首に40gのウエイトを積んで、基本的に飛ばせる状態になった。
残作業は、
@胴体下面にスキッド取り付け
Aコックピット周りの工作
今度の休日に初飛行できる。パチパチパチ。(2009年3月22日)
完成!
スキッドは堅木で製作、機体との間にショックアブソーバとしてのシリコンチューブを設けて可撓性をもたせた。
百円ショップで仕入れたニスを塗っておいた。良い感じになった。
メカ室の蓋は2分割、後方はネジで固定。前方はスイッチへのアクセスが必要なので開閉式とした。輪ゴムを使用してテンションを掛ける構造でスムーズに作動する。
搭乗員は娘からもらった「かものはしかも」君に決定。機体に縫いつけて固定。風防越しに見ると愛嬌のある顔をしている。
これで全ての作業完了。週末に初飛行も可能だが天気が微妙。(2009年3月25日)


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