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アトラスコメット

  
  (飛行編)

初飛行
本機を飛行場に持ち込んだが、正直この形状から本当に飛ぶのか不安。仲間にお披露目してD/Rを設定したほうが良いとのアドバイスをもらった。こういう場合は素直に従います。舵の方向OK。
まずは手投げで、こういう機体に慣れた仲間にお願いした。手から離れた機体は意外にも素直にグライド、舵の利きも良さそうなのでそのままモータON。上空でトリム合わせ、ダウン気味でアップトリムを入れて調整完了。すぐに着陸、無事に回収。
重心位置は指定より少し前側に設定してあったので、重心位置を下げて再度上空へ。
強風時スタントグライダーというだけあって、操縦性は問題なく、意外にも安定性も高く、無理に吊らない限り失速することはなさそう。
唯一、フルアップで宙返りを行うと突然スピンに入った。直ぐに回復して事なきを得たが、無尾翼機であることを忘れてはいけない。
ロールは可能だが、背面での浮きが悪く今一歩。
本日は風が弱く、本機の性能は発揮できなかった気がするが、座りの良い飛びっぷりは魅力的。
 
飛行姿勢は綺麗、旋回時の回頭性も良く滑らかに回ることができる。本日の風は4m位、これくらいでリッジ飛行できれば嬉しいが、そうはいかない。それでも、前作の萱場号やホルテンVよりは性能が良く、飛ばす機会は多いはず。
初飛行、無事に終了!40年越の想いが叶いました。(2017年7月29日)
シールを貼り付けて少しドレスアップ。
本日は電池の位置を調整して重心を下げて飛ばしてみたが、飛行特性はあまり変わらず、無尾翼機にしては重心範囲が広い。
特異の形状に慣れてきた。風の弱いときはスロットル中で十分に飛ばすことができる。試しにフルスロットにしてみると宙返りしそうな勢いで頭上げ。ダウンスラスト調整又はスロットル⇒エレベータミキシングが必要(フルスロットルにするニーズはないが)。
着陸は無尾翼特有の地面効果でなかなか降りないが、これをうまく利用すればゆっくりと接地させることができる。
本日の風速は4〜5mくらい、リッジでは厳しいが、もう少し風速が高くなると延々と飛ぶのは間違いなし。(2017年7月30日)


    (製作編)

40年越し
ラジコン飛行機を初めて飛ばしたのは高校生の時(偶然1回だけ)。その頃に製作した記憶があるのがアトラスコメット。なぜこの機体を選んだのか、どうやってキットを手に入れたのか全く覚えていない。唯一、完成して田んぼの中で手投げして飛ばなかったことは覚えている。
ラジコン技術のデータベースを整備したのもこの当時の機体を作ってみたいから。無尾翼機は、萱場A3号→ホルテン3と製作。萱場号では初飛行の難しさを経験、ホルテン3ではドラッグラダーの有効性を確認できた。
これまでスロープグライダーは思い出したように製作してきたが、モータの無い機体は飛ばす回数が少なく、いつのまにか手元からなくなっている。
一昨年に製作したカシオペアのセラDS(スロープで良く飛んでくれたが)、これにモータを搭載しようと考えたが、狭い胴体内に動力系を収めるのが大変で配線系のトラブルが懸念され、さらにその重量増からカンザシ等の強度不足が露呈しそうなので断念。
今回は、アトラスコメットにモータを搭載して40年越の思いをかなえたいと目論んでいる。
基本構想
オリジナルの造形は再現するとして、詳細な構造、工法は自分の技量に合わせて変更。
1)電動化、モータは機首に取り付け、手持ちのOS2815を使用、折ペラは8インチ (パイロンも魅力的だが運用面で難あり)
2)オリジナルはスパーレス構造を採っているが、製作のしやすさからスパーありとする
3)フルプランク、動翼の幅は50mm、剛性確保のためにプランク後に切り出す。もともと、50mmのエルロン材は入手できないし・・・
4)エレボンは機械式ではなく(50gのサーボが前後に移動、重心どうなる?)、プロポのエレボン機能を使用、2サーボ、ハイテックHS81を予定
材料
手持ちのバルサ材料が不足気味なのでフライトホビーさんから1.5mmから5mmまで50枚購入。比重を選択可、今回はSで比重0.14くらい
翼型 
オリジナルでは対称翼の13%となっている。今回、翼型描画ソフトとしてフリーのWingMakerを使用。特徴は、
1)Windows10上でサクサク動く
2)テーパー翼に対応
3)UIUCサイトからデータを入手可能
4)翼厚の変更可能
5)桁の位置表示
6)プランク材の厚さに対応
であり、プランク材の厚さを入力できるところが嬉しい。今回はNACA0015をベースに翼厚を13%に変更。
フイルム貼り
前作のジービーレーサではフルプランクした機体にオラライトを貼り付け。生地完成の機体を最後は400番でサンディング、掃除機で粉を綺麗に除去、表面は何も処理せず(空気がぬける状態)、この上にフイルムを貼り、最後にスプレー塗装。
こうすると日中でもフイルムが伸びることがなく、特にステッカーを貼った場合のように伸びをどうやってとるかを悩むこともない。フイルム自体が薄く温度上昇しにくい(蓄熱しにくい)からか。
今回もこの手法でいく予定。欲しいという方がおられるので2機を製作。まずは自分の機体から。(2017年6月12日)
主翼
リブは2mmバルサから切り出し。リブの重量は片翼で12g。
プランク材は1.5mmの200mm幅広バルサを使用。翼弦は最大で300mmを超える。1枚ではカバーできないが、それでも幅80mmバルサで作ることを考えると2枚を接合するだけで良いので作業性及び仕上がりが良好になる。
プランク材上にリブ及びスパーの位置を書き込んで準備完了。
プランク
最初に主翼上面側のプランク材にリブ及びスパーを瞬間で接着。上反角は0度、対称翼でテーパー付き、さらに後退角がついている。上反角0度の場合、下反角がついているように見えるので違和感がある。そこで、今回は上面が左右で面一になるように設定してみた。これに対応するように、後縁に冶具を設けてこれを基準に製作。
下面側にサーボ用の開口が必要。プランク材と同じ厚さの1.5mmのべニア板を取り外し可能に固定できるようにした。
本機は双ラダーが特徴。保管時に嵩張るので取り外し可能にできるようにM3の爪付きナットを埋め込み済み。 
サーボ延長コードを取り付けて、ダウエル受けを工作して事前準備完了。下面側をプランク、ここで全体の捻じれ及び後縁の波うちを補正することになる。タイトボンドだけで接着。重しをしっかりかけて固定。
ラダーの製作
3mmの骨組みを1.5mmバルサでサンドイッチして定盤上で重しをかけて固定。接着剤はタイトボンド。
ラダーは片側8g、主翼は片側80g、左右合わせて180g弱、軽いかも。これで難しい作業が終了。(2017年6月25日) 
カンザシ 
後退角のついたカンザシを作成。1.5mmのベニヤの中心部を半分ほどの厚さだけカッターで切れ目を入れて後退角分だけ折り曲げ。補強のためにグラスを貼り付けて瞬間で固定。さらに3mmバルサを積層してカンザシの完成。
左右翼を突き合わせて隙間がないよいように微調整。接着は、エポキシにマイクロバルーンを混ぜて体積を稼ぎ、接着箇所にたっぷり塗布して固定。
接着後、翼端を把持して振り回すことができるほど剛性のある主翼になった。前縁の一部が凹んでいたので2mmバルサを貼り付けて修正。ここまでは順調。 (2017年6月28日)

翼端接着
翼端は15mmバルサを2枚積層して接着。ラフに成形済み
胴体
3mmバルサから製作。
モータは機首に取り付けるが、固定方法が問題。以前ホーク15でバックマウント方式で取り付けたことがあるのを思い出し製作記事を参照。こういう時に過去の記事が役立つ。
構造的には問題ないように思える。(2017年7月2日)
モータ取り付け 
機首部をカットしてモータと干渉しないように内部をくり抜く。モータシャフトを長目のものに交換。以前ブラシレスモータを自作していた頃に集めたCDユニットからの3mmシャフトが役に立つ。
モータの位置合わせはカットアンドトライで行う。今回は比較的スムーズに位置合わせができた。
カットした機首部を再度接着、隙間はあとでパテ埋め。最終段階で微調整すれば全てOK。
折ペラはOKのユニットにエアロノートの8×6を組み合わせたもので機首部にフィット。(2017年7月5日) 

機首仕上げ
成形してサンディング、やっつけ仕事にしてはそこそこの出来栄え。
エルロン切り出し
カッターナイフで慎重に切り離して主翼側及びエルロン側に5mmバルサを接着。この時も定盤上でしっかり抑え込んで変形を防止。接着は、タイトボンドと瞬間接着剤を併用、その後にサンディングに支障がないように配慮。エルロンは剛性を確保できている。
ラダー取り付け部
ベースは0.5mmのFRP板、予め用意しておいたテンプレートに合わせてカットして穿孔。ラダー下部を主翼の曲率に合わせて成形。両側を5mmバルサでサンドイッチして固定。
取り外しが容易で十分な剛性のあるラダーとなった。
サンディング
全体の造形が完了。一部、完成していない箇所もあるが、この段階でサンディング。
夏場は暑くてサンディングする場所に悩むが、車で15分のところに日陰で清流があり涼しく、他人に迷惑のかからない場所がある。ここに持ち込んで約1.5時間、しっかりサンディング。
前縁は真っすぐに仕上げることができた。400番で仕上げて滑らかな表面になった。
重心等
フイルム貼りの前に重心をチェック。リポ電池は主翼の前側から差し込む予定であったが、この場合は明らかに前重になってしまう。
リポ電池を重心の後方に配置すると上手くバランスが取れることが判明。リポ電池の交換が面倒のように思えるが、前作のジービーレーサも同じ方式。実際にはそれほど面倒でもなかったので、この配置を採用する予定。
全ての機器を搭載した状態で510g。フイルムを貼って600g位か。翼面荷重は21g位。
オリジナルの設計では700g、モータパイロンを加えると800gなので、随分、軽量。(2017年7月10日)

機首部加工
機首部の形状は図面及び製作記事でははっきりしないので適当に造形。10mmバルサを使って丸く成形。見た目には違和感がないので良しとする。
フイルム貼り
主翼はオラライトのクリアを使用。 クリアフイルムは横浜のKaiさんのお仲間さんから頂いたもの。ズリン、ジービーレーサに使用、仲間にも分けて、本機で全て使い果たすことができた。ネットを通じてお礼いたします。
主翼完了!(2017年7月16日)

胴体はオラカバの白、垂直尾翼はオラライトの白として手元の端切れを消費。
塗装
デザインは以前製作した萱場号を参考にした。事前に試験片を作って同じ条件で塗装。クリアフイルムに白を塗ると下地を消すのにかなりの塗料が必要になる。今回は水色を先に塗布、その上に白を塗布、試験片では白色の塗料が少なくなる感触を得た。
下地はミッチャクロンで処理、塗料はラッカー系を使用。飛行場に持ち込んで塗装。
重ね塗りも上手くいって そこそこの出来映え。垂直尾翼の塗分けも問題なし。
ここまでは順調。(2017年7月22日)
メカ搭載
サーボの配線はすべて半田付け。海岸で飛ばしているので延長コードによる接触不良を嫌ってのこと。アンプ、受信機を所定位置に固定、リポ電池は3セル1000mAを搭載予定。重心位置はかなりの範囲で変更できるので(リポ電池の位置で)調整が容易。
残りの作業は、電池の固定、リンケージ、胴体下面のスキッド、またステッカーを作成して貼り付ける予定。全備重量は予定通り600g弱。
週末には飛ばせるかも(2017年7月24日)
完成 
エレボンのリンケージ完了。図面に指定されている舵角を得るために実際に作図してホーンの長さを決定。指定通りの舵角になった。
スキッドはべニア+バルサをで製作、エポキシを塗布して強度アップ。
電池用のベッドを取り付けて飛ばせる状態になった。ステッカーは後日作成。
この週末に初飛行、上手く飛ぶかな〜。(2017年7月28日)
舵角
製作記事に従えば、 水平飛行時に9度、フルアップ時に19度、さらにエルロン操作時に29度となる。このままではフルダウン時に0度んいなるので背面飛行は難しい。背面水平飛行はトリムを下げ舵いっぱいにするとある。
背面飛行を重視するのならリンケージの見直しが必要。今後の課題。
冷却
データ上8×6の折ペラではモータの最大電流は16A(150W)程度、フルスロットルで飛ばすことはないのでモータの過熱は問題ないと思う。・・・が、念のためにスピンナー先端の開口から少しでも導風できることを期待して機首部の穴を拡大した。

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