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シラントロ

    (飛行編)

初飛行
穏やかな風の中で初飛行、手を離れた機体は真っすぐに上空へ。エレベータのトリムをダウン側に合わせて様子を見る。なかなか降りてこない、さらに進入性も良く、これがネガティブキャンバー翼の複雑な翼型の効果だろう。
サーマル工房のアーバンXCのように上空で停止するような感じはなく、広範囲にサーマルを探すことができる。飛行場の周囲が温まって小さなサーマルが発生、初飛行で何度か小さなサーマルに遭遇。サーマルに敏感で非常に分かりやすい。サーマル旋回は大得意。これが競技機かと納得。
着陸時にフラップを下げると急激に頭上げ。とても扱える状況ではなかったの、フラップなしで着陸。飛行場の環境が良いので無傷で帰還。
フラップからエレベータにミキシング、何度か着陸を繰り返してダウン側に25%のミキシングで綺麗に降りてくるようになった。
昼前には北風が出てきて今度はスロープ飛行、やはり進入性の良さが効果を発揮して土手ソアリングを楽しむことできた。
良い機体、製作には少し気を使うが、基本さえ押さえて製作すれば相応の性能が得られる。キットでこれだけの機体を出せるのはOK模型の実力、感心しました。(2018年2月18日)
設定情報
舵角 ラダー±35mm、エレベータ±12mm、フラップ40mm
重心 92mm
フラップ→エレベータミキシング 26%
ミキシング
MIX1:RLVR→GEAR100%
MIX2:THRO→FLAP100%
MIX3:RUDD→AILE70% 
MIX4:THRO→ELEV H:0%、L:−26%
着陸
スポイラーでの着陸はアリゼで慣れているで足元に降ろすことができる。本機のようなフラップでの着陸は初めて、最初は思うように行かなかった。慣れてしまえば(適切なフラップ→エレベータミキシングで)意外に簡単、ほぼ思い通り着陸できるようになった。飛行時間はすでに2時間、タイトなサーマル旋回でも失速することがなく、アリゼでは進入できない空域でのサーマルハンティングが可能。(2018年2月25日)
重心
メーカー指定の92mmに正確に合わせてみた(機首に10gのウエイトを追加)。実際に飛ばすと前重心、上空からダイブさせると結構な頭上げ、宙返りする勢い。サーマル旋回時に突っ込み気味になったり、フラップを下げると頭上げの癖が顕著になったりと、この指定位置は腑におちない。
ウエイトを外して最初の状態に戻した。次の機会に現場で再調整(2018年3月3日)。
重心その2
調整を進めた結果、自分に合う重心位置が判明。92mm⇒96mmでマイナス4mm。この位置では舵の利きが良く、サーマル旋回時に突っ込むことなく滑らかに旋回できる。リッジ飛行でも浮きが良い。しかし、吊りすぎるとピッチングを起こすことがあり注意が必要。慣れれば問題なし。本日までの飛行時間は4時間30分。飛ばしこみました。(2018年3月4日)
高度計
サーマルの状況を知るために高度計が必要。残念ながらプロポがJRなので新規に購入できない。運よく新品を持っている方がおられたので受信機と高度計を実費で分けてもらった。送信機と受信機とのバインド及び送信機側の設定は問題なく完了。受信機用のエクストラアンテナを持っていないのでパークフライとして運用。到達距離は3〜400mなので注意が必要だが、この機体の飛ばし方からみて問題ないはず。
実際に機体に搭載して動作を確認。高度150mに上げても高度情報は問題なく送られてくる。またノーコンの兆しも皆無なので安心。
薄いサーマルの際、旋回しながら風下に流れていったときに高度情報は役に立つ。強力な武器を装備できた。
本日までの飛行時間は5時間10分、最近週末天気が良かったので飛行時間が伸びた。すでに元は取った感じ。(2018年3月11日)
情報
競技としてのF5Jはどのようなものか、特にフラップのブレーキをどう使うのか気になり、群馬の木村さんにメールで聞いてみた。F3BやJなどの機体の例も交えて丁寧な回答を頂き納得。経験豊富な方の説明は分かり易いです。
その後、木村さんからフラップをブレーキだけでなくキャンバーとして使うのが良いとの説明を頂いた。

グライダータイプへの変更
そうなると、現行の飛行機タイプでは無理なので、グライダータイプで設定を試みることにした。前提は、JRのXG8で受信機は6ch。
物理的制約から、左右のフラップ(2サーボ)をフラップch(6ch)で作動させるために、サーボリバーサー(OK模型)を使用。このリバーサーは微調整ボタンでサーボホーンの位置を調整できるので便利。
サーボリバーサーによる重量増を避けるために二股コードに直結してコネクタを省略。

必要な機能
※モータ制御は右肩レバーで実現
※フライトモードSWで、「通常」「サーマル」「着陸」の3モードを選択
※着陸モードでは、スロットルスティックでブレーキ(エレベータミキシングあり)を実現、
※サーマルモードでは、キャンバー(5mm程度)調整及びエレベータミキシングを実現
※空戦フラップを実現
以上をプログラムミキシングを使うことなく設定する。

これを実現するために
@モータシステム
Aブレーキシステム
Bキャンバーシステム
Cエレベータ⇒キャンバーミキシング
Dフラップレート
の機能を使って設定。

最初、デュアルフラップの機能を使って設定したが、フラッペロントリムは機能するがフラップトリムが機能せず「通常」「サーマル」モードでキャンバー変更ができない。理由は分からない。どこかの設定が足らないように思うが、今の知識では解決できず断念。
その代わりに、フラップレートの機能を使って、「通常」「サーマル」モードでのサーボ位置をフラップトリムを使って最大位置に戻して、そこから各モードでのキャンバーを変更(例えば5mm下げる)して対応。この使い方は正しいか否か不明。

グライダータイプでその機能を駆使して設定したのは今回が初めてなので、これだけの設定をするのに3時間はかかった。
結果的には必要な機能を実現できているので良しとする。(2018年3月21日)
修理
飛行場に持ち込んで飛ばしてみた。あいにく風がわるく設定の良し悪しは分からなかったが、キャンバーを可変にすることで随分浮きが良くなることは分かった。評価は後日。
移動時に大きな力がかかったようでフラップサーボのギヤがかけてしまった。手元にあった昔のミニサーボが使えるのでこれに交換。9g未満の小さなサーボは扱いが大変。(2018年3月25日)
調整完了new
風の穏やかな中で各フライトモード毎の調整完了。キャンバーコントロールは効果大、リッジソアリングでも浮きの良さを体感できるようになった。飛行時間は7時間超えでも機体はほぼ無傷なのが嬉しい。(2018年3月31日)


    (製作編)

サーマル機
現在の飛行場はなかなかサーマルにヒットしないが、小さなサーマルなら結構出ている様子。サーマル専用機ならサーマルを捕まえるのが容易ではないか・・・と考えて、OK模型のシラントロ2mを作ることにした。
この機体の特徴は(メーカのHPから抜粋)
「F5J-2000クラス競技用機のスタンダードとなったピメンタ2mで蓄積した競技のノウハウや新技術を盛り込んで更に進化させた機体がシラントロ2mです。まずは有害抵抗を軽減するために全く新しい翼型を4種類ブレンドした主翼で、その組み立てにはピメンタ2m以上の技術が必要となりますが それに見合う高性能が実感できると思います。また、競技中の気象変化に的確に対応できるようバラスト搭載を可能としたほか、エアブレーキ機能はスポイラーからフラップに変更しました。」
とある。
諸元は、
・ 全長 Length:1340mm
・ 全幅 Wing Span:1996mm
・ 主翼面積 Wing Area:39.1dm2
・ 全備重量 Weight:680-800g
となっている。
外翼
組み立て説明書どおり外翼からスタート。いきなり後縁の削りから始まり、結構ハードルが高い。さらにキャンバー翼となっているので捻じれのない翼を作るには工夫が必要になる。専用の治具セットが別途発売されている理由が分かった。
組み立ては低粘度瞬間接着剤が指定されている。しかし、低粘瞬間接着剤だけで作るのは難しいので、高粘度瞬間接着剤とタイトボンドの3種類を併用して製作。簡単そうで難しいキット。外翼完成。(2018年1月28日)
専用主翼組立治具 
本機の製作記事は少ないがいずれの方も専用治具を使っておられる。リブ後縁の強度が足らず変形しやすいのかもしれない。折角、複雑な翼型を採用してあるので、ここは治具を使うことにした。ベニヤをレーザーカットした立派な治具。1回だけの使用はもったいない気もする。
このキットは初期ロッドでリンケージ部品の入れ間違いがあり、連絡すれば送ってもらえる。その際に同封の製品管理カードの管理番号が必要となる。すでに連絡済み。
今後、補修部品が必要な場合も同様。キットを購入せずに主翼だけ購入ということもできない理にかなったシステム。(2018年2月1日)
内翼
各リブを取り外して番号を付与。レーザーカットの精度が高くリブを完全に外すことができる。リブの下面に治具としての足がついている。この足が曲者で下手に扱うと折れてしまう。またリブ後部は強度がなく変形しやすい。これが専用治具を必要とする理由。最初からキットに含めておくのが良策と思う(価格アップは仕方ない)。
まずは下面プランクを接着してスパー、リブを取り付けて接着。その後、前縁材となるバルサ三角材をアルミのアングル材を利用して真っすぐに固定。これにはタイトボンドを使用。
カンザシ受けはエポキシ+マイクロバルーンを使ってしっかりと接着。
次にリブ下側の足をカットしてサンディング。こらから治具の出番。
上面プランクは4枚で構成される。事前に1枚に接着する手もあるが、1枚のプランクを一気に接着するのは難しそうなの1枚ずつ接着。
後縁側のプランクはエポキシで接着して後縁の強度を確保。その際にしっかりと目玉クリップで押さえて後縁が波打たないように注意。
その後、残りのプランクを順番に接着。タイトボンドを使用。輪ゴムをかけてプランク材がリブに密着するようにする。しっかり乾燥させて治具から取り外して内翼の完成。
当然、左右同じものを作らないように注意
中央リブ
主翼の胴体への固定は中央リブを介して行う。中央リブは胴体にネジ止め。
主翼の内端側にベニヤの翼端リブを所定の角度をつけて固定し、このリブに対して中央リブが隙間なく当接するように調整する必要がある。
カンザシを使って仮組みして位置合わせ、翼端リブをエポキシ接着剤で主翼に接着、マスキングテープでしっかりと固定。
中央リブと左右の翼とがぴったりと当接、上手くいった。
生地完成
尾翼周りを作って生地完成。次はサンディングになるがあまり削るところが無いので簡単に終わるはず。その後、フラップを切り出す手順。
今のところ問題なく進んでいる。(2018年2月4日)
主翼連結
外翼には大きな上反角が設定されている。そのために外翼の内側を112.6度に削る必要がある。ゲージが付属されておりこれを基にしてサンディングブロックを製作して削った。内翼と外翼はエポキシ+マイクロバルーンで接着。翼端側に高さ104mmの治具を当てて正確な上反角になるようにした。
主翼のサンディングを終えてフラップを切り出して主翼完成。胴体に取り付けてみると建付けも良く一安心。 
サンディング後にバルサの癖がでて表面が凹凸になることが多い。時間をおいてもう一度サンディングすれば改善するがこれも面倒。自分の製作方法に問題あるのかな〜。レーザーカットのキットの場合は何も考えないでどんどん進める傾向がある。プランク後を考えて微調整が必要な気がする。
しかし、数年後にはバルサが色々と変形してくるので、あまり神経質になっても仕方ないかな。
胴体の製作
グラス胴とカーボンパイプを接着すると胴体は完成になる。その場合の治具が入っているので作業は容易。グラス胴の場合、作業中にエポキシ接着剤が付着すると始末が悪い。必要以外の部位はビニール袋でカバーしながら作業を進めている。
難しい作業は@水平尾翼台の固定とAノーズのカット。
水平尾翼台の中には爪付きナットを固定する。この際、瞬間接着剤が指定されているが、外部からの衝撃で剥離すると困るので今回はスーパーXを使用した。
水平尾翼台のカーボンパイプへの固定はエポキシ接着剤で行う。あまりはみ出ると見栄えが悪いのでマスキングしてから接着。 
接着時に水平尾翼と主翼を取り付けて、両者が平行になるように注意しながら固着を待つ。最後にマスキングテープを剥がすと接着剤のはみ出しもなく上手くいった。
ノーズカット
モータはOS2815、ペラはエアロノートの8×6、スピンナは30mmを使用。それに合わせノーズをカット。治具が入っているのでカット位置を決めるのは容易。けがき線をリュータで一気にカット。モータを取り付けてみると、胴体とスピンナとの間の隙間が一定でOK。
サーボマウントをエポキシで接着、これで胴体は完成となった。(2018年2月11日)
モータ干渉
機首が絞られているのでOS2815の場合は配線が外缶と干渉(純正のモータでは干渉しないとのこと)。新しくモータを買うのも癪、モータをかさ上げし後方に移動させるどうなるか・・・、モータとモータマウントの間に3mmのスペーサを入れてみると滑らかに回転、で、この対策を採用。
モータのシャフトを前方に移動させてペラアダプターの取り付け距離を確保して完了。
フイルム貼り
天気が悪く室内でフイルムを一気に貼った。オラライトのカブイエローとレッドを使用。オラライトは透けるので主翼のレーザカットの跡が見えるがこれもデザインと捉えている。
尾翼を組み上げて胴体後部に固定。垂直尾翼は主翼と直角となるように慎重に位置決めしてエポキシで接着。胴体の長さは1340mm、尾翼を取り付けると意外に長い。
これで切った貼ったの作業は完了。フラップを仕上げてリンケージを行うと飛行可能になる。
重量はリポ電池なしで640g、重心さえ合えば電池込みで700g強で完成するはず。(2018年2月12日)
リンケージ
エレベータ、ラダーは付属の0.8mmピアノ線とサーボホーン側の1mmピアノ線でリンケージ。各ピアノ線は位置調整後に瞬間接着剤+シュリンクチューブで固定。この重さなので外れることはないはず。
フラップのリンケージはメンテナンス可能な方法を採用。サーボはネジで取り外しでき、リンケージロッドは2分割として瞬間接着剤+シュリンクチューブで固定、その後の微調整も容易。 フラップ側のロッドはL字型に曲げてシュリンクチューブで固定、抜けることはないはず。
プロポ設定
JR送信機を使用、受信機は6chなので工夫が必要。まず飛行機モードを選択。
1ch:右フラップ、2ch:ラダー、3ch:エレベータ、5ch:モータ、6ch:左フラップとする。
・モータは肩レバーを使うので肩レバー→5chへミキシング
・1ch→6chへミキシング
・1chのスロットルカーブを入力75%で出力100%になるように設定。フラップがスロットル100→75%までは作動しないようにした。
これで矛盾なく作動。
完成
これで飛行可能になった。リポ3セル1000mAhで重量は740g。リポ電池を小さくすれば軽量になるが、重心合わせのためのウエイトが必要になる。要はテールヘビー、その要因は、
・尾翼にオラライトの使用
・リンケージンに純正のピアノ線を使用
に尽きる。もともと超軽量を狙ったわけでなく、エポキシ接着剤も結構使っている。飛行環境がサーマル+スロープなので多少重いほうが面白いと考えている。
さて初飛行は如何なものか。(2018年2月17日)

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