VPP(可変ピッチペラ)


昨年途中から中断していたVPPを再会。

   動画 4月22日追加
          4月29日追加 (逆ホバの時間が長いです)
          
5月7日追加 (約4分の連続飛行です)
         5月20日追加 (逆コブラ)

3号機

2機の機体を製作し飛ばすことで色々なことが分かってきた。
<機体製作>
EPP+フィッシュボーンを基本とする。センターVPPといえど機体の破損は免れないが、機体の前部を弾性体にすることで、耐久性のある機体にすることができる。
3号機では@機体前部からフィッシュボーンを排除A脚の撓みをクッションとして利用する構造とした。見かけは悪いが輪ゴムを利用。効果絶大。また、構造自体を簡素化してメンテナンス性を高めるために全てのサーボを機体後部に配置。前部にはアンプとリポ電池だけを配置。これでサーボの交換も簡単にできる。
主翼にはフィッシュボーンに加えて1.6mmのカーボンロッドを張り渡して飛行時の主翼の捻れを防止。その際のカーボンロッドは主翼に接着せずにグラステープで部分的に固定(片翼3カ所)。
全備重量:225g。
<設定>
スロットルカーブとピッチカーブとは飛ばしながら調整。一度決まると飛ばす前にチェックしてずれを修正すれば常に同じ性能を得ることができる。これはヘリの調整に通じるものがある。雑誌に載っているデータはあくまでも基本的なもので満足のいく結果を得ようとすれば時間をかけて調整することが大切。

<飛行>
剛性の必要な箇所はしっかりと補強してあるので1、2号機に比べて舵がしっかり入る。一方で機体の前部は弾性があるので多少ラフな着陸をしても壊れることがなくなった。
機体の調整ができているので延々とホバリングすることができる。逆ホバは機体の調整が8割を占めると言っても過言ではない。(2006年4月29日)
背面で着陸した際に胴体の一部が折れてしまったのでカーボンロッドを追加。結局、ペラ開口の両側を支持。これで遠慮なく背面着陸ができる。
ペラをハイペリオンに交換してみた。青ペラに比べて負荷が高いような感じ。2005クラスのモータとの相性は良くないと思われ、青ペラに戻した。

これまでのノウハウを全て注ぎ込んだ4号機を製作。全体的に剛性が高くなっているので逆ホバ状態での浮きは最高。同じモータユニットを使った1、2号機に比べて明らかに推力が稼げている。おそらくモータの支持剛性が高いのでモータユニットの振動が少なくなったためであろう。ペラの回転数を測定すれば定量的なデータが得られるはず。
この4号機で逆ホバを練習して次のステップに進むのが逆ピッチの機体を自在に飛ばす早道だと思う。
<機体データ>
機体:アニマルベースEPP
全備重量:228g
モータ:ハイペリオン2205/46
アンプ:ハイペリオン10A
サーボ:ウエイポイント3.8×4、ウエイポイント060BB×1(ピッチ)
リポ電池:ハイペリオン400VX 3セル
ペラ:青ペラ(Hobby-Lobby青ペラ)
ペラホルダ、ピッチスライダ:ボイジャEP用

ピッチ/スロットルカーブ
ペラ先端55mm(正ピッチ/逆ピッチ)
カーブ(逆ピッチモード) JR9XII
ポイント
ピッチ スロットル
26 100
26 INH
31 10
50 0
67 10
72 INH
72 100
プロポ
左側ピッチトリムレバー:スロットルカーブ平行移動に割当
右側AUXレバー:ピッチカーブ平行移動に割当
(2006年5月6日)
(逆コブラ)
かなり角度がついているが、一応、逆コブラ状態で飛ばすことができるようになった。
これに合わせてミキシングを設定。エルロン2サーボを使っているのでこれをフラップとしてエレベータ→フラップミキシングを設定。ミキシングは同相(エレベータ、フラップが同方向に移動)と逆相とを設定。同相モードは逆ホバリングの安定性を増すために、逆相は急激な挙動を望む場合に使用。
フライトモードSWに連動して(プロポはJR9XIIのヘリ用)、
@通常モード
A逆ホバモード
B逆ホバモード+同相
C逆ホバ+逆相
とした。BCは左肩のラダーD/Rスイッチで切り替えるように設定。
(2006年5月20日)


あのマニュエル君の新作機をみてビックリ。モータがミッドシップになっているではないか・・・。これなら墜落、即、破損という悲しい結末を迎えることもない。
毎度のことながら欧米人の発想の豊かさには驚かされる。
胴体を前後で2分割するので補強は難しいが、私なりの秘策がある・・・。
以前仕入れたアニマル君を手本にして製作を進めることにした。逆ピッチのユニット、ペラは既に入手済み。
その秘策とは・・・モータシャフトを延長してペラを両持ちで支持するもの。こうすると中空シャフトを使うことなく、ヘリのテールロータの機構を利用してピッチを変更するもの。機構がシンプルなので振動が発生しにくく、更に、シャフトが胴体の補強を兼ねるはず。ウーン、我ながら優れたアイデアである。(2006年2月28日)
4mmのEPPから機体を切り出し、カーボンシートのフィッシュボーンで補強。胴体の中央部にペラ用の大きな開口があるのでこの部分の補強が難しい。実際に飛ばしてみて不足部分を補強していくのが良さそう。
そういえば板翼/板胴の機体をEPPで製作するのは初めて。どれくらい補強すれば良いのかよく分からない・・・。
モータユニットを仮組みして干渉の有無をチェック。この機体の場合ペラの干渉は即機体の破壊につながるのでクリアランスは大きめに取っておいた方がよいだろう。(3月4日)
トーシンの青ペラのグリップ部の厚さは3.8mm、厚すぎてT−REX用のテールロータホルダでは保持できない。グリップを削ってペラを取り付けてみたが強度が心配、更に、ホルダのふところがが短くペラが自由に枢軸てきないことが判明。
Iさんに相談したところ「ボイジャE」用のホルダが良いとのことで部品を送ってくれた。これがT−REXのものと互換性がありぴったり。問題解決!(3月7日)

ピッチはウエイポイント8gサーボを使ってスライダを直接移動させる構造を採用。サーボに連結するロッドは途中で全く支持していない。振動を心配したが、起動時に多少ぶれる程度であり、高回転時には全く振動しない。
モータおよび反対側の支持部は、スーパーXとグラステープを使って胴体に固定。
胴体の前後を連結するアーチ部は4mm幅に裂いたカーボンシートを3層して形成。かなりの強度を確保できた。モータユニットでも胴体の前後を連結しているので剛性のある機体になった。
主翼のねじり剛性が不足気味。張り線の使用も考えたが、ペラ開口の補強もかねて主翼裏面と胴体との間を前後2カ所で2mmカーボンで連結した。補強の効果は大きい。
使用メカは、
モータ:ハイペリオン2205/46、アンプ:ハイペリオン10A、サーボ:ウエイポイント3.8g×4、ピッチサーボは8g、受信機:GWS6ch。
(電池はハイペリオン400mAh3セルを予定。)
今回の別の目玉は延長ケーブルの代わりにUEW線によって配線したこと。胴体の後部にはピッチ/エレベータ/ラダーの3個のサーボがあり、アーチ部に沿って胴体前部まで配線する必要がある。
延長コードも試してみたが3本のコードを束ねると嵩張ってしまい配線が難しく、重量も無視できない。そこで0.4mmのUEW線を使用して配線した。今のところ問題は起きていない。振動等によるトラブルが発生しなければ良いが・・・、
(完成)
未塗装ではあるが一応完成した。気になる重量は178g(電池なし)。400mAhの3セルは40gなので全備重量は218gになる。
200gを切ることを目指していたが強度不足から補強を重ねることになり気づけば20g近くも重くなっていた。EPPで作る以上補強は必須であり仕方ないか・・・。
あとはピッチ/スロットルカーブの調整。電流計をにらみながらの調整になる。(2006年3月12日)
家の中でピッチの調整をしようとしたが、ハーフスロットルで結構大きな音がするので断念。ペラがスリットを通過する際に起こる風切り音と思われる。魚沼ラジコンクラブの方に聞いてみたところ、やはり大きな音がするとのこと。家の外で調整するしかない。
(初飛行)
体育館で飛ばす機会があったので、調整と初飛行をさせてもらった。
まずは正ピッチのフルハイ時の電流が約10Aになるように調整。逆ピッチ時も同様に約10Aとした。逆ピッチの推力は結構ありいい手応。ノーマルモード時にスロットルカーブ直線/ピッチカーブ固定とし、アイドルアップモード時にスロットルカーブV(ハーフスロットルで0%)/ピッチカーブ直線とした。
まずはノーマルモードの飛行でトリム合わせ。「ショックフライヤ」タイプの機体を飛ばすのは初めて。浮きが良くゆっくり飛ぶという印象。
その後、アイドルアップモードに切り替え水平飛行の状態で逆ピッチに入れてみた。左ロールで機首を下げるような挙動を示したが姿勢は大きく崩れることはなくその後のリカバリーもできた。
体育館の天井が高かったので高いところから機首を下に向けて逆ピッチに入れてみると、いとも簡単に停止→上昇。自分でも驚いた。左エルロンを切ると更に安定すると聞いてはいたが、そんな余裕などなかった。しかし、安定した姿勢で天井近くまで昇っていった。慌てて正ピッチに戻してリカバリー。
アイドルアップモード時の挙動はスロットルスティックと飛行速度が一対一で対応する感じ。普通の飛行機のようにスロットルを下げると機体が慣性で前進するのとは全く異なる。
数分の飛行ではあったが性能は想像以上。ラフな着陸をして脚の付け根が外れてしまったが、それ以外は無傷。ペラユニットも異常なく耐久性に問題ないようだ。飛行後、モータ/リポ共に少し暖かい程度だった。
機体の製作には時間がかかったがそれが報われた。まずは成功。
(機体スペック)
機体:アニマルをベースに胴体中央部を拡大
全備重量;218g(リポ込み)
モータ:ハイペリオン2205/46
ペラ:青ペラ(トーシン)
リポ:ハイペリオン400mAh3セル
最大ピッチ:正/逆共に約7cm
最大電流:10A
(2006年3月18日)

単にのたうち回っているだけですが・・・動画
(2度目の飛行)
昨日壊れた脚を修理。カーボンロッドを途中からカットして1.4mmのピアノ線を取り付けた。着陸時にショックを吸収できるようになった。
今日できたことは「リバーステイクオフ」「ノーズタッチ」だが、これはあくまでも自分が意図してできた演技であり他人にはのたうち回っているように見えるだろう。
逆トルクロールにはなかなか上手く入らない。水平飛行から下降時に真っ直ぐに降ろせば良いのは分かるが、体育館なので高さの制限があり崩れた姿勢のまま逆ピッチに入れてしまう。何よりも経験が皆無なので機体の姿勢を落ち着いて見ながら舵を打つことができていない。練習あるのみ
(問題発生)
何度か墜落するうちに逆ピッチの推力が出なくなり、モータから臭いがしてきたのでチェックして見ると、ペラの先端が大変なことになっていた。どこかと干渉したようだ。ピッチを調べてみるとゼロピッチのはず正ピッチがついていた。ペラが干渉した拍子にピッチがずれてしまったようだ。墜落時にはピッチのチェックをすることを怠るとダメである。
干渉の原因は、ブレードが墜落のショックで支持軸の周りを回ってしまい、ブレードの先端が大きくオフセットして曲率の小さい下側アーチ部と干渉したようだ。こういうことが起こるとは想像していなかった。
下側アーチ部の曲率を大きくするか、墜落時に素早くピッチをゼロに戻すかで解決可能。とりあえず、墜落時にスロットルホールドと同時にピッチをゼロにホールドするように設定しておくことにした。(3月19日)
(ピッチカーブ)
その後、屋外で飛ばしてみた。体育館と違い空域が広いので操縦が楽であった。ノーマルモードでは力強く上昇。しかし、アイドルアップモード(逆ピッチモード)では推力不足。しかしペラの回転は高め。よく考えてみるとピッチカーブは単純な直線なのでモータへの負荷が低目であり、過回転になっている。
ピッチカーブについては魚沼ラジコンクラブのブラックジャックさんから情報を頂いた。
http://www.rcgroups.com/links/index.php?id=4869
このカーブで飛ばしてみよう。次回の飛行が楽しみ。(2006年3月23日)
(機体の補強?)
度重なる墜落でEPP機といえど壊れてしまう。が、壊れた部分良く眺めてみると・・・あることに気づいた。
壊れるのはモータユニットより前側だけ。モータユニットおよび後側は無傷である。前側には補強用のフィッシュボーンが入っており墜落時にこのカーボンが折れてしまう。モータが先端にある普通の機体と異なりセンターモータの場合機体前側には何もなく強度は不要。
従って、前側を切り取ってEPPシートを補強無しで取り付けた。もちろん交換可能。EPPの弾性のおかげで衝撃を吸収でき、衝撃を後方に伝えることはない。強度の高い部分と弾性の高い部分の2つに機体を分割したこの構造は「ユニット構造」と呼ぶことにする。
(飛行)
ユニット構造の効果は絶大で本日機体の損傷はなかった。
新ピッチカーブのお陰でペラが過回転にならず推力を得ることができるようになった。リポは350mAh位(残量50mAh)まではホバリング可能。逆トルクロールにはパワーが無くなった頃に上手く入る。スロットルを微妙に操作できるようになると自由自在になるなず。
サンダーパワー730mAh(55g、+15g重くなるる)にするとパワフルに飛ぶが、モータからの発熱が大きくなった。このモータでは全備重量220g位が限界のようだ。
機体の損傷を気にすることが無くなったので練習に励むことができる。
(次はコレ)
ボイジャーE用のピッチコントロールのスライダ(クイック製)をゲット。これを取り付けるとオール金属製の逆ピッチユニットが完成する。
ハイペリオンのペラをゲットしたが青ペラよりも少し長いので今の機体に取り付けるのは難しい。しかし、青ペラよりも剛性があるので先端を切って取り付けてみようかと思っている。(2006年3月25日)

(2号機)
完成。1号機の経験を生かして、機体の前部に柔軟性を持たせた。これで機体が壊れる確率は低減する・・・はず。
一回り大きなモータ/ペラを搭載できるようになっており、ますます河豚に似てきた。


1号機は幾多の墜落で傷だらけだが健在。
スロットルカーブを2次曲線のようにしたところ正/逆ピッチの切り替えがスムーズになった。慣れも手伝って逆ピッチ時に細かな舵が打てるようになり、意図的に逆ホバ状態を維持できる(と自分では思っている)。
修理を重ねるうちに10数gの重量アップになり、今のモータでは少し苦しい。EPPで劇的に軽量化する方法はないものか・・・。(2006年4月1日)



(以前の記事)

3月頃からE−ZONEで話題になったVPP(可変ピッチペラ)を作ってみることに・・・。

すでに久留米のIさんがシステムを完成して実際に飛ばしておられ色々と話を聞いてみると、ペラに効率が悪くなるのでモータ/電池への負担が高いようである。
Iさんのシステムはリポ3セル、AXI2212クラスのモータであり、EPコンセプトや50クラスのヘリのテールグリップを使用されている。一方で、ホビーロビーのものは、AXI2208のモータ、T−REXのテールグリップを使用している。機体は総重量250g程度のショックフライヤを前提にしている。
そこで、リポ2セルで200g程度の機体を作ることにした。マイコを改造することが手っ取り早いので、これに可変ピッチ機構を組み込み、手元にあったハッカーのA20−34を搭載することにした。
(製作)
製作は非常に簡単。モータのシャフト(3mm)に合う3mmの中空シャフトを探すことができれば良い。ホームセンターで中空真鍮シャフトを吟味して何本か購入し、実際にぴったり合うものを選択した。
ピッチアームはフタバのサーボホーンを利用して製作。回転部分にはベアリングを挿入。プロペラホルダは、T−REXのテールロータ用を利用。丁度、クイックからT−REX用の青メタパーツを入手できたので、こちらを使った。純正のものとはボールの取り付け位置が異なっており、VPPには青メタパーツの方がピッチが大きく取れるので好都合。
(機体への搭載及び飛行)
ピッチ用ロッドはサーボホーンに直結することになる。ピッチストロークとの関係でサーボホーンのもっとも内側の穴を使うことになってしまい、ロッドとモータの中空シャフトとが擦れる場合があり精神衛生上良くない。試しにロングアームを使って専用のユニットを作ってみた。重量はUPする動きは非常にスムーズになった。


GWS8×4.7ペラを利用してVPP用のペラを作ったが、やはり逆ピッチ時の推力が不足。そこで、PP板でフ平らなペラを幾つか作ってみた。明らかにペラ効率が悪く、感覚的には2/3の推力しか出なかった。
今回は、全備重量200gの機体にハッカーA20−34S、2セルリポで飛ばしてみた。正ピッチでもホバリングするのがやっと。推力は200g程度になる。このモータの推力はメーカ発表データでも300g以上なので、やはり効率が非常に悪いことが分かる。この状態では、飛行中に逆ピッチに入れると急停止はするが(普通ではあり得ないことではあるが)、推力不足のため、その後は何もできずに姿勢が崩れて落下・・・という悲しい結末になった。但し、VPPユニットは頑強で何度か頭から落下したが、壊れなかった。
(結論)
最大のネックは適切なペラを入手できないこと。自作するにしてもどのような材質でどのような形状にすれば良いのか分からない。試行錯誤で探りあてるしかないと思う。また、リポ電池とモータへの負担を考えると機体を如何に軽く作するかが課題であろう。そこでたどり着いた結論は、HobbyLobbyからユニットと機体を入手する・・・という実に安直なものになった。
(次の段階へ)
ということで、早速Hobbylobbyに発注。ユニットは在庫あり、機体「アニマル」君は再入荷が間近(数日内)、問題のペラは一ヶ月待ちという状況。一応、ユニットにペラは付属しているのでこのペラを手本にして類似品をつくってみることにした。ユニットと機体は一週間くらいしたら届く・・・はずである。(2005年6月19日)

やっとアニマル君、ペラシステム、及びスペアペラが到着。アニマル君は開封してみると、精度は余り高くない。ユーザが手直しして組み上げることが前提。従って、コピーするのも簡単。実物は写真で見たとおりやっぱり派手。このセンスは見習うべき点もある。さてさて・・・どうなることかという心境。(2005年7月27日)


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